タイトル |
福岡県内で生産される鶏ふん堆肥と豚ふん堆肥の肥料成分及び水分含量 |
担当機関 |
飼料部 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
副資材を含まない鶏ふん堆肥及び豚ふん堆肥の肥料成分は、福岡県技術指標の乾燥ふんの値に比べてりん酸、加里、石灰、苦土含量が高い。また、チップまたはオガクズを含む堆肥に比べ、りん酸、石灰含量が高く、水分含量及び肥料成分のばらつきが大きい。福岡県農総試・畜産研究所・中小家畜部・環境衛生研究室、飼料部・家畜栄養研究室
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背景・ねらい |
堆肥の広域流通を促進するためには、肥料成分を明確に把握しておく必要がある。これらの肥料成分については、昭和61年度作成の「家畜ふん尿処理利用指導技術指標」(以下、技術指標)の数値等が利用されているが、その後10年以上が経過しており、飼養形態や発酵施設の変化等もあり堆肥成分が変化していることが考えられる。平成8、9年度成果情報に続き、鶏ふん及び豚ふん堆肥の肥料成分、水分含量等の実態を副資材別に明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 副資材を含まない鶏ふん堆肥は採卵鶏経営より排出されたふんを材料とし、平均水分含量と窒素含量はそれぞれ22%、 4%で、技術指標の乾燥鶏ふんと同等の数値であるが、りん酸、加里、石灰、苦土含量はやや高い。これは平成10年の全国調査結果と同様の結果を示す。また、この堆肥に比べ、チップを副資材とした鶏ふん堆肥は肉用鶏経営より排出されたふんを材料とし、窒素含量については同様の値を示すものの、りん酸、石灰含量が低く、水分含量及び炭素含量が高い(表1)。
- 副資材を含まない豚ふん堆肥の肥料成分は、窒素4%、りん酸7%、加里 3%で技術指標の乾燥豚ふんの数値に比べ高い。これについても全国調査結果と同様の傾向である。この堆肥は、オガクズを含む堆肥に比べ、窒素、りん酸、石灰が高くなる。一方、水分含量は10ポイント以上低い(表1)。
- 副資材を含まない鶏ふん堆肥、豚ふん堆肥ともに、水分含量及び肥料成分のばらつきが大きく、特にりん酸含量においては5~10%と大きい(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 鶏ふん及び豚ふん堆肥の成分値として技術指標に掲載し、活用することができる。
- 鶏ふん堆肥、豚ふん堆肥の施用においては、肥料成分の変動幅が大きいので成分を把握して利用する。また、各作目の施用基準に準じ、化学肥料の施用量を抑制する必要がある。
- 近赤外分析計による堆肥分析の測定技術確立のための検量線作成の元データとして利用する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
肥料
乾燥
近赤外分析
経営管理
測定技術
鶏
豚
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