タイトル |
冬季放牧用草地の必要面積 |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
九州高原草地では、トールフェスクやオーチャードグラス主体のASPを、繁殖牛1頭当たり0.5~0.7ha用意することで、12月から3月までの冬季放牧が可能である。
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背景・ねらい |
阿蘇地域では約2万haの草資源を活用して、省力かつ低コストな繁殖牛の経営が行われてきたが、さらなる省力低コスト化する手法としてASPが見直されている。しかし、従来の研究はASPによる放牧延長技術のみで周年放牧化はされていない。そこで繁殖牛を対象とした冬季放牧用ASP草地の必要面積を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- ASP草地では95年度から4年間、冬季放牧(主に1~3月)を実施した。供試牛は褐毛和種成雌牛とし、年度・牧区により若干の変動はあるが、概ね10~20頭規模の妊娠牛を用いた(表1)。
- ASP草地の各牧区における入牧時草量は風乾物量で3~5t/ha程度であり、牧草の利用率はトールフェスクやオーチャードグラス主体の草地が、レッドトップやリードカナリーグラスの混在した草地より向上した(表1)。
- ASP草地の牧草はTDN、CPとも経時的に減少する傾向を示し、無機成分についても徐々に低下する傾向にあった。また草種でみるとトールフェスクに較べ、レッドトップやリードカナリーグラス草地は品質的にやや劣る傾向にあった(表2)。
- 放牧牛の体重はASP草地に入牧した当初は増加するが、その後漸減する傾向にあった(図1)。血液成分では、個体や時期において、ばらつきは多かったが、概ね正常範囲で推移しており、異常は認められなかった(図2)。
- トールフェスクやオーチャードグラス主体の草地を用い、また、放牧開始時に生草で1.5t/10a程度(風乾物量で0.4t/10a)あれば、12月~3月の期間に必要なASP草地面積は0.5~0.7ha/頭と試算される(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 周年放牧を実施する際の放牧頭数等、利用計画の参考指針となる。
- ASPの備蓄開始は、8月中旬からとし、8月上旬までに掃除刈り、施肥(N成分で5kg/10a)、鎮圧作業を実施すること。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
経営管理
施肥
低コスト
繁殖性改善
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