タイトル |
肉用牛の遺伝的産肉能力評価値を利用した種雄牛造成 |
担当機関 |
大分県畜産試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
肉用牛の遺伝的産肉能力評価値を利用して高能力雌牛を選抜し、計画交配を実施することにより、高能力が推定される候補種雄牛の造成が可能となり、間接検定終了牛では優秀な結果が得られている。大分県畜産試験場 肉用牛改良部
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背景・ねらい |
肉用牛の育種改良を効率的に推進するためには、いかにして遺伝的産肉能力の高い種牛を獲得できるかにかかっている。そこで、後代など血縁個体の枝肉市場成績を利用した現場後代検定を行い、種雄牛の期待後代差(EPD)及び繁殖雌牛の予測伝達能力(ETA)を推定し、前もって遺伝的に高能力が推定される種雄牛候補の計画交配を行うことが必要となっている。そのため、本研究では、大分県産素牛で全国の枝肉市場に出荷された肥育牛のデータを収集し種牛の遺伝的産肉能力を評価し、これを基にした計画交配により肉質及び発育に優れ経済性の高い次世代種雄牛の造成と、繁殖雌牛の質の向上に努める。
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成果の内容・特徴 |
- 枝肉成績の増加に伴って、正確度は年々上昇している。評価した全雌牛の平均で0.50以上となった。その内、育種改良に利用している後代成績を有する雌牛では、全評価項目で0.60以上であり、特にBMSNo.では0.65となって高い信頼性が得られるようになってきた。(表1)
- 出生年ごとの評価値の平均値により能力推移を示した遺伝的趨勢は種雄牛、繁殖雌牛ともに枝肉重量、DG、ロース芯面積、皮下脂肪厚、BMSNo.で改良が進んでいたがバラ厚は改良されておらず、繁殖雌牛では皮下脂肪厚は改良されていなかった。(図1)
- 種牛評価の結果、高能力が予測される繁殖雌牛から計画交配によって種雄牛候補を造成した。間接検定の結果では、BMSNo.は全国平均を上回る優秀な成績であったが、発育面では低く今後の課題となった。(表2)
- 枝肉成績を収集し遺伝的産肉能力を評価することによって、効率的な種雄牛候補の選抜が可能となった。
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成果の活用面・留意点 |
- 遺伝的産肉能力評価値を利用する上で、肉質重視の傾向が強くなりすぎたため、増体性の高い種雄牛の選抜が必要である。
- 近年、繁殖雌牛の血縁係数が高くなってきたことから、産肉能力のみでなく血統を考慮した選抜基準の策定が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育種
出荷調整
肉牛
ばら
繁殖性改善
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