樹勢の強いカンキツ「清見」に対するわい性台木の効果

タイトル 樹勢の強いカンキツ「清見」に対するわい性台木の効果
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 樹勢の強いカンキツ「清見」の台木として「ヒリュウ」、「曲針」を使用すると樹冠容積が、従来の台木に比較して小さくなる。1樹当たりの収量は少なくなるものの樹容積当たりの収量は多くなる。果実は小さくなるが、品質は変わらない。
背景・ねらい カンキツの台木として、カラタチ系統「ヒリュウ」、「曲針」、「ロブスター」を用いると、従来の台木「カラタチ」に比較して、苗木の生育が抑制されることを平成5年度に明らかにした。今回は、上記台木に樹勢の強いカンキツ「清見」を接ぎ木し、樹齢の進行に伴う生育や果実収量・品質に与える影響を調査し、「清見」に適する台木を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 「ヒリュウ」、「曲針」を台木に使用すると「清見」は 8年生で樹冠容積が従来の台木を使用した場合より小さくなる。1樹当たりの 5年間の累積収量はカラタチ台より少なくなるが、樹冠容積当たりの収量は多くなる。果実の大きさはカラタチ台に比較して小玉果の割合が多くなる(表1、一部データ略)。果実品質は、果皮色が「ヒリュウ」台で濃いが、糖度、クエン酸はカラタチ台と変わらない(表2)。
  2. 「ロブスター」を台木に使用すると、「清見」の樹冠容積は「ヒリュウ」、「曲針」を台木に使用した場合よりさらに小さくなる。累積収量はカラタチ台の約 4割と少なく(表1)、隔年結果も激しいが(データ略)、果皮色は濃く、糖度が高くなる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 樹勢の強いカンキツ品種の台木を選抜する際の資料として活用できる。
  2. 「ヒリュウ」、「曲針」が台木の場合は着果負担を軽くし、大玉生産に努める。
図表1 221185-1.jpg
図表2 221185-2.jpg
カテゴリ 台木 接ぎ木 品種 その他のかんきつ

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