タイトル |
カキ平棚栽培における樹冠内の果実重および着果数の分布 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
カキ平棚栽培樹の着果数分布は、垂直分布では棚面に集中し、水平分布は樹冠中心部にも多く、中心部から外周部までの均一性が高い。果実からで主幹地際地点までの枝伝いの距離が長いほど果実肥大が優れ、平棚栽培樹はこの距離が長い。福岡県農業総合試験場・園芸研究所・果樹部・落葉果樹研究室
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背景・ねらい |
樹高が高いカキの慣行立木栽培樹を樹形改造によって平棚栽培へ移行する方式を開発し、管理作業の安全化、作業効率の向上、労働負担の軽減、収量の安定、果実品質の向上が可能になることを明らかにしてきた。さらに、平棚栽培における収量安定および果実品質向上の要因解析のため、樹冠内における果実重および着果数の分布を明らかにし、より安定した平棚栽培技術の確立に資する。
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成果の内容・特徴 |
- 平棚栽培樹では、樹冠内の主幹を中心とした半径1mの円柱内の着果数は、波状棚栽培樹や立木栽培樹より多い(表1)。
- 樹冠を1片50cmの立方体ブロックで区切って調査した樹冠内での着果数の水平分布は平棚栽培樹が最も均一性が高く、立木は着果ムラが多い。同様に着果数の垂直分布は、平棚栽培樹では棚面に集中し、均一性が高い(図2、図3)。
- 各果実の着果部位から主幹の地際地点までの枝伝いの距離が長いほど果実肥大が優れる(図1)。
- 平棚栽培樹では樹冠中心部の側枝に返し枝を多く利用しているため、着果部位から主幹の地際地点までの枝伝いの距離が波状棚栽培樹や立木栽培樹より長い(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- カキ平棚栽培の指導資料として指導指針及びカキ栽培基準に登載できる。
- 主幹付近の側枝は主枝から直接取らず亜主枝上に返し枝として配置し、樹冠の中心部にも着果数を均一に確保することは、立木栽培における収量の安定化や大玉果実生産にも応用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
かき
栽培技術
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