イチジクの果実品質の節位間における差異

タイトル イチジクの果実品質の節位間における差異
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 イチジク果実は、下位節に比べて中~上位節の方が果重は小さくなるが、着色が優れて糖度も高まりやすく、また糖組成比に占めるショ糖の割合が高くなる。下位節の果実では重量と水分の増加に伴って水溶性ペクチン質と不溶性細胞壁成分の含量が増加するが、保水能は節位による違いが認められない。福岡県農業総合試験場・豊前分場・果樹研究室
背景・ねらい イチジクの秋果は結果枝基部から上位節に向かって順次成熟し、収穫期間が長いため品質が変動しやすく、果実品質の安定が栽培上の課題となっている。このため、平成10年度にイチジク果実の肥大に伴う水分吸収と細胞壁成分との関係、糖組成の品種間差や成熟に伴う変化について明らかにした。ここでは、イチジクの果実品質の変動要因の中で、結果節位間における果実の肥大、品質の相違を調査するとともに、節位別果実の水分吸収と細胞壁成分との関係についても明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. イチジク果実の果重は下位節が顕著に大きく、中~上位節では小さくなる。また、果皮色と糖度は年次間の変動が大きいが、着色は下位節より中~上位節の方が優れ、糖度も高まる傾向にある(表1)。
  2. 組成別の糖含量は結果節位にかかわらず、果糖、ブドウ糖が多く、ショ糖は少ないが、上位節の果実では糖組成比に占める果糖、ブドウ糖の割合が低下してショ糖の割合が高い(表2)。
  3. 下位節の果実では、小果、果托とも重量と水分含量の増加に伴って、水溶性ペクチン質および不溶性細胞壁成分の含量が中~上位節に比べて著しく多くなる。しかし、不溶性細胞壁成分の保水能と膨潤能は節位間に大きな違いが認められない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. イチジクの食味解析および品質向上対策の参考資料として活用する。
図表1 221188-1.jpg
図表2 221188-2.jpg
図表3 221188-3.jpg
カテゴリ いちじく 品種 良食味

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