タイトル |
土壌改良資材による温州ミカン園土壌の物理性改善と表層細根増加法 |
担当機関 |
長崎県果樹試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
赤黄色土の温州ミカン園では、ポリアクリルアミド系土壌改良材とバーク堆肥または腐植酸質資材を併用することで、表面施用でも気相率が高まり表層の細根量を増加させることができる。長崎県果樹試験場・施肥改善科
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背景・ねらい |
温州ミカンで糖度の高い果実を生産するためには、水分ストレスの付与が効果的である。近年、この目的でマルチ栽培が一般的になっているが、コストが高いといった問題がある。また、排水性が悪かったり、根の分布域が深いような園では、マルチ栽培を行っても効果の上がらないことがある。表層に細根が多いタイプの根群分布を作り上げることができれば、水分ストレスが付与されやすく、樹勢回復のための施肥やかん水の効果も高くなる。そこで、この試験では、赤黄色土の温州ミカン園で表層の細根量を増加させる手法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- バーク堆肥(2t/10a)を土壌と混合して施用することで、細根量は有意ではないが増加する。しかし、バーク堆肥や土壌改良資材を土壌表面に全面施用しただけでは細根量は増加しない(表1)。
- 「原口早生」では、ポリアクリルアミド系土壌改良材(50Kg/10a)と腐植酸質資材(200Kg/10a)、またはバーク堆肥を併用すれば、表面施用でも表層細根を増加させることができる(表2)。
- ポリアクリルアミド系土壌改良材と腐植酸質資材、またはバーク堆肥の併用により気相率が増加する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ポリアクリルアミド系土壌改良材の価格は17,000円/10a・50Kg、腐植酸質資材の価格は11,000円/10a・100Kg程度である。
- 供試土壌は、ボックス試験、ほ場試験ともに玄武岩を母材とする赤黄色土である。
- 土壌改良材の効果の持続性についての確認が今後必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
温州みかん
コスト
樹勢回復
施肥
土壌改良
排水性
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