タイトル |
ロータリー砕土によるケブカアカチャコガネ属の一種Dasylepidasp.幼虫の密度低減 |
担当機関 |
沖縄県農業試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
宮古地区においてサトウキビの立枯れの原因となるケブカアカチャコガネの一種の幼虫は、収穫後直ちに耕起用ロータリーで砕土することにより密度を低減できる。沖縄県農業試験場・病虫部さとうきび害虫研究室.宮古支場・作物研究室
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背景・ねらい |
宮古地区では近年アオドウガネに変わり、ケブカアカチャコガネ属の一種の幼虫がサトウキビの根茎部を加害し、立枯れの原因となっている。そこで、収穫後の圃場における幼虫の生息深度を解明し、耕起用のロータリーを用いた砕土による幼虫密度の抑圧を試みる。
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成果の内容・特徴 |
- 幼虫の生息は、地表0~70cmの範囲に認められたが、大部分は地下根茎部を中心とした40cmに集中し(表1)、そのほとんどが終齢(3齢)幼虫である。
- 各処理区の生存虫数は、無処理区が、7.3±2.5匹(平均値±SD)農薬(MPP粒剤)のみ散布区5.0±2.6、砕土(クボタMI-85のトラクターを用い、1-1.5km/hr、エンジン回転数1,200rpm、PTO軸回転540rpm、深度20cmの条件で耕運)のみ行った区1.7±1.5、農薬散布と砕土を行った区1.0±1.0となり(表2)、砕土処理を行った区では、無処理区より有意に生存幼虫数が少ない。
- 以上の結果、ケブカアカチャコガネ属の一種の幼虫は、収穫後早期にロータリーを使った砕土を行うことによる機械的な損傷により、幼虫密度を全体の75%程度低減できることが明らかになった。
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成果の活用面・留意点 |
- 本試験はケブカアカチャコガネ属の一種の終齢幼虫の密度抑圧に利用できる。
- 本種の幼虫は3月中旬以降、土壌深層部へと生息域が移動するので被害圃場では収穫後早めに砕土することが肝要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
さとうきび
農薬
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