タイトル |
高度精製マシン油乳剤によるハウスミカンのミカンハダニの効率的防除法 |
担当機関 |
長崎県果樹試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
中期加温型ハウス栽培の温州ミカンにおいて高度精製マシン油乳剤の200倍を加温開始約1カ月前に散布し、さらに200倍または400倍を幼果期に散布することで、ミカンハダニを効率的に防除できる。長崎県果樹試験場・病害虫科・常緑果樹科
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背景・ねらい |
ミカンハダニは、温州ミカンのハウス栽培における重要害虫であるが、合成殺ダニ剤による防除は薬剤抵抗性が発達しやすいこともあり、農家では薬剤の選択に苦慮している。そこで、抵抗性の発生に問題がなく、合成殺ダニ剤に比べ低コストである高度精製マシン油乳剤について、ハウス栽培における防除効果と果実品質に及ぼす影響を明らかにし、ミカンハダニの効率的防除法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 中期加温型(加温開始12月中旬)のハウスミカンにおいて、加温開始約1カ月前に高度精製マシン油乳剤(ハーベストオイル) 200倍を散布し、さらに果径約20ミリの幼果期にあたる加温開始約80日後に、高度精製マシン油乳剤(ハーベストオイル400倍またはスピンドロン乳剤200倍)を散布すると、ハウスミカンに発生するミカンハダニ密度を加温開始前の散布後から、幼果期の散布後30~50日目まで抑制でき、ハダニの効率的防除が可能となる(表1)。
- 高度精製マシン油乳剤(ハーベストオイル)の生育期散布は、果実糖度、酸含量、着色に及ぼす悪影響はなく、果実重量、果実直径への影響もないが、果実にわずかに薬斑を発生させる。しかし、その程度は軽く、商品性への影響は小さい。また、散布により落葉数が増加する傾向にある(表2、表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 12月加温開始の中期加温型ハウス栽培での成果である。他の加温時期については、樹体や果実品質に及ぼす影響が異なる可能性があり、さらに検討が必要である。
- 高度精製マシン油乳剤の散布により落葉数が増加する傾向にあるので、果実品質や樹勢の低下を起こさないように、施肥・せん定などの適正管理につとめる。
- 生育期の散布は樹体への悪影響や果実への薬害がわずかに認められるため、ハダニの薬剤抵抗性発達など、やむを得ない理由がある場合に使用するのがよい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
温州みかん
害虫
施肥
抵抗性
低コスト
防除
薬剤
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