タイトル |
Erysiphepolygoni型のOidium sp.によるトルコギキョウうどんこ病(新称) |
担当機関 |
大分県温泉熱花き研究指導センター |
研究期間 |
1988~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
1999年3月に、大分県三光村でトルコギキョウにうどんこ病が発生した。その病原菌の形態的特徴を観察した結果、閉子のう殻は観察されず、Erysiphe polygoni型のOidium sp.であることが判明した。大分県温泉熱花き研究指導センター・研究指導部
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背景・ねらい |
トルコギキョウは近年人気の急上昇した切花で、九州各県でも作付面積が増加している主要品目の1つである。1999年3月に、大分県下毛郡三光村でトルコギキョウにうどんこ病が発生した。トルコギキョウのうどんこ病は日本には記録が無く、世界的にもカリフォルニアで内部寄生性のLeveillula tauricaによるうどんこ病が報告されているだけである。そこで、病原菌の所属について検討を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 本病は、はじめ葉の表裏や花柄に白色粉状の小斑点を生じ、多くの病斑は直径1cm前後に拡大する(図1)。病斑下の組織が褐変したり、葉が湾曲したり、白色斑点が目立つなどの品質低下を招く。
- 現地圃場では「エクローサブルーフラッシュ」、「エクローサピンク」、「エクローサブルーピコティ」、「キングオブスノー」で発生が認められ、接種試験では「あずまの波」に罹病性が認められる。
- 菌糸は葉の表裏、花柄に分岐しながら表生しそのところどころに付着器と分生子柄を形成することから、外部寄生性であることが判明した(図2、図3)。
- 分生子の形状と特性を調査した結果は表1のとおりであり、閉子のう殻は未確認で、分生子は分生子柄上に単生し、内部にフィブロシン体を欠き、付着器の形態はErysiphe polygoni型である。
- これらの結果から、病原菌は完全世代が判明するまではその所属をErysiphe polygoni型のOidium sp.にとどめ、併せて、本病をトルコギキョウうどんこ病と呼称することを提案する。
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成果の活用面・留意点 |
- トルコギキョウにうどんこ病が確認されたことで、うどんこ病を意識した栽培により迅速な防除対策が可能である。
- 発病の品種間差異は未検討なので、全ての品種で発生に注意する。
- 本病は、初発生を認めた1圃場の収穫終了以後県内での新たな発生を認めていない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
うどんこ病
トルコギキョウ
品種
防除
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