タイトル |
RT-PCRによるサツマイモ斑紋モザイクウイルス(SPFMV)検定法の改良 |
担当機関 |
宮崎県総合農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
RT-PCRによるSPFMVの検定において、RNA抽出法としてISOGENを用い、逆転写酵素としてAMV逆転写酵素を使用した場合、反応液100μL中総RNA量0.2pgまで検出可能である。宮崎県総合農業試験場・生物工学部・遺伝子工学科
|
背景・ねらい |
現在、かんしょウイルスフリー苗の検定を含めたサツマイモ斑紋モザイクウイルスの検定は、RT-PCR法、電子顕微鏡法、植物検定法等があるが、検定の困難なウイルスである。その中で、RT-PCRによるウイルス検定法の改良として、RNA抽出法及び逆転写酵素の比較を行い、さらに高感度の検定法を選定する。
|
成果の内容・特徴 |
- 生葉0.1gからのRNA抽出は、すでに報告のあるSDS-phenol法、CF-11法に比べ、ISOGENにおいて、高分子から低分子までのRNA(図1)が最も少ない手順で抽出できる。
- 各RNA抽出法により抽出したRNAを鋳型にして、表1のSPFMV強毒系統及び普通系統共通プライマーを用い、rTth DNA合成酵素によるRT-PCRを行った結果、ISOGEN及びSDS-phenol法が感度が高く、反応液100μL中粗RNA量2pgまで検出可能である(表2)。
- 3種類の逆転写酵素を使用して、表1のプライマーによりRT-PCRの比較を行った結果、AMV逆転写酵素とTaq DNA合成酵素の組み合わせが最も感度が高く、反応液100μL中粗RNA量0.2pgまで検出可能である(表3)。
- AMV逆転写酵素とTaq DNA合成酵素の組み合わせによるRT-PCR条件は以下のとおりである。
cDNA合成:摂氏48度/15分間摂氏-99度/5分間。PCR:摂氏95度/2分間、摂氏95度/1分間摂氏-60度/1分間・40反復、摂氏60度/7分間。
|
成果の活用面・留意点 |
- 茎頂培養苗の鉢上げ後のウイルス検定に用いる場合、塊根を経由せず検定可能である。
- 種苗増殖施設などで使用する。
- 異なったプライマーを用いた場合、PCR条件の再検討が必要である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
かんしょ
|