高品質肉用鶏「新豊のしゃも」

タイトル 高品質肉用鶏「新豊のしゃも」
担当機関 大分県畜産試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 阿南加治男
日高康志
発行年度 2000
要約 「豊のしゃも」を上回る高品質肉用鶏(地鶏)を作出するために、熊本ロード×白色ロック国13系統の交配により改良した雌系統を生産用母鶏として利用し、作出した「新豊のしゃも」は、発育性、食味性に優れる。大分県畜産試験場・中小家畜部
背景・ねらい 消費者のグルメ志向や、鶏肉の味覚向上への要望が高まってきたことから、昭和62年度に「豊のしゃも」シャモ♂×(ロード♂×劣性白ロック♀)を作出した。年間2万羽弱の素ビナを県内農家に供給しており、「シャモ独特のコクがあり、おいしい」との評価を得ているが、「発育が遅く、肥育期間が長い」、「母鶏の産卵率が低く、素ビナの生産性が悪い」等の問題があった。これらの点を改良するために、大分県、熊本県、宮崎県の3県共同で熊本ロード×白色ロック国13系統の交配により造成した有色大型雌系統を生産用母鶏として利用し、発育性、食味、素ビナの生産性の良い新しい高品質肉用鶏(地鶏)の作出を図る。
成果の内容・特徴
  1. 有色大型雌系統第5世代の産卵率は74.8%と、旧母鶏の産卵率(61.0%)を大きく上回り、大型鶏としては高い産卵率を維持している(表1)。
  2. 「新豊のしゃも」(シャモ×有色大型雌系統第5世代)の体重は、120日齢で雄3,964g、雌2,709gと改良目標(120日齢で雄3,800g、雌2,500g)を達成し、雌雄平均体重で229g「豊のしゃも」を上回り、飼料要求率、プロダクションスコアも優れる(表2)。
  3. 解体成績では、新「豊のしゃも」の方が、「豊のしゃも」より骨つき腿肉割合が多い傾向が認められる(表2)。
  4. 食味試験を平成9~11年度の3年間実施した結果、「新豊のしゃも」を好んだ割合がそれぞれ51.1%、60.0%、54.3%と高い傾向にあり、また肉の旨み成分であるイノシン酸は、「新豊のしゃも」の方が約16%多く含まれる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 平成11年6月に地鶏肉のJAS規格が定められ、素ビナは在来種由来の血液が50%以上であることが定義されたが、「新豊のしゃも」は在来種由来の血液が75%であり地鶏として活用できる。
  2. 県内肉用鶏飼育農家に対して、年間25,000羽の素ビナを供給することが可能である。
図表1 221412-1.jpg
図表2 221412-2.jpg
図表3 221412-3.jpg
カテゴリ 良食味

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