ダイレクト法による凍結時のバイオプシー胚の平衡時間と受胎成績

タイトル ダイレクト法による凍結時のバイオプシー胚の平衡時間と受胎成績
担当機関 長崎県畜産試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 中里敏
井上哲郎
谷山敦
清松邦章
発行年度 2000
要約 ウシ胚の性判別技術において、Aランク胚をバイオプシーし、その胚を短時間培養後にダイレクト法で凍結する場合、平衡時間が10分以内であれば高い受胎率が得られる。長崎県畜産試験場・酪農科
背景・ねらい ウシ胚の性判別技術において、PCR用サンプルとしてAランク胚をバイオプシーし、その胚を短時間培養後に凍結処理することで、ダイレクト法でもIntact胚と同等の受胎率が得られることが明らかとなった。しかし、各Lotごとに比較すると凍結胚の受胎率には差があり、一度に処理する胚数が多いLotで受胎率が低い傾向がみられた。そこで、バイオプシー胚の受胎率をより安定したものとするため、平衡時間の違いが受胎率に及ぼす影響について調査した。
成果の内容・特徴 黒毛和種より回収したAランクの後期桑実胚~初期胚盤胞をバイオプシーし、1胚当たり100μリットルのドロップ(20%CS加TCM199)中で、3~6時間培養(摂氏38.6度、5%CO2、95%空気)後、凍結処理した。
  1. バイオプシー胚をエチレングリコールを耐凍剤としたダイレクト法で凍結する場合、培養液のドロップと対応する位置に凍結液のドロップを作製し、一旦そこへ1胚ずつ移すことにより、すべての胚の平衡時間をほぼ均一にすることができる(図1)。
  2. 凍結液の添加からすべての胚のストローへの吸引が終了し凍結装置へ投入するまでの平衡時間別に受胎率を比較したところ、平衡時間が3分~5分未満及び5分~10分未満の区が10分~15分未満の区より受胎率は高い傾向にある(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. ダイレクト法による凍結バイオプシー胚の低受胎率が普及面で課題となっていた胚生産機関において、受胎率向上が期待できる。
  2. 平衡時間を短縮するためには、スピーディーな胚操作技術が必要であり、また複数のスタッフで作業(ストロー吸引と封入・ラベル貼り)を分担して行うことが望ましい。
  3. バイオプシー胚の個数が多く、10分以内に処理できない場合は、2回に分けて凍結処理を行うなどの工夫が必要である。
図表1 221427-1.jpg
図表2 221427-2.jpg
カテゴリ 受胎率向上 乳牛

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