肥育前期における卵巣除去した黒毛和種雌牛の高CP濃厚飼料定量給与の効果

タイトル 肥育前期における卵巣除去した黒毛和種雌牛の高CP濃厚飼料定量給与の効果
担当機関 長崎県畜産試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 嶋澤光一
岡部裕
中山昭義
発行年度 2000
要約 卵巣除去した黒毛和種雌牛に、大豆粕を主体にCP水準を高めた濃厚飼料を定量給与すると、BUN、第一胃内NH3-Nは高くなるが、粗飼料の採食量が増加し、第一胃におけるVFA生産量が多く、良好な増体を示す。長崎県畜産試験場・肉用牛科
背景・ねらい 黒毛和種雌牛に卵巣除去を行うと、肉質が良好になることが明らかとなっているが、飼料摂取量及び増体には効果が認められない。一般に、雌牛は去勢牛より増体が劣り体内に脂肪が沈着しやすいため、筋肉組織の発達を目的に肥育前期にはCP水準を高め、粗飼料多給した方がよいといわれている。そこで、卵巣除去した黒毛和種雌牛の肥育前期に、CP水準を高めた濃厚飼料を定量給与し、増体および粗飼料の採食量に及ぼす影響を調査する。
成果の内容・特徴 卵巣除去した黒毛和種雌牛各区4頭計8頭を用い、肥育前期(24週間)の濃厚飼料として市販配合飼料と大豆粕を主体にCP水準を高めた濃厚飼料(高CP区)及び市販配合飼料(対照区)を定量給与し、粗飼料として両区ともヘイキューブを定量給与し、イタリアンライグラス乾草及び稲ワラを自由採食させ、次のような結果が得られた(表1)。
  1. 高CP濃厚飼料を定量給与するとCP摂取量は増加するが、粗飼料の採食量が増加し、DM、TDN及びNDF摂取量も多くなる(表2)。
  2. 高CP濃厚飼料の定量給与は、良好な増体を示す(図1)。
  3. 高CP濃厚飼料を定量給与すると、BUN及び第一胃内NH3-Nが高くなるが、第一胃における酢酸及び酪酸の生産が多くなる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 肥育前期における粗飼料多給の飼養管理法に活用できる。
  2. CP中の分解性蛋白質割合によりCP水準の効果が異なる可能性がある。
  3. 高CP飼料はBUN及び第一胃内NH3-Nを上昇させるため、アルカローシス、肝機能障害を起こす危険性がある。
図表1 221438-1.jpg
図表2 221438-2.jpg
図表3 221438-3.jpg
図表4 221438-4.jpg
カテゴリ イタリアンライグラス 飼育技術 大豆粕 肉牛

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