クリの低樹高化及び新しいせん定法による省力化

タイトル クリの低樹高化及び新しいせん定法による省力化
担当機関 熊本県農業研究センター果樹研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者 益田信篤
岡田眞治
大崎伸一
北村光康
発行年度 2000
要約 クリ栽培において低樹高整枝法は、収量はやや低下するもののせん定時間が短縮され作業危険性が少なくなる。電動はさみやのこ引き主体のせん定方法は、収量や品質を低下させずにせん定作業を省力化することができる。熊本県農業研究センター果樹研究所・落葉果樹部
背景・ねらい クリの大果・安定生産のためには、せん定が不可欠であるが、慣行のせん定法では樹高が高いため作業効率が劣り、しかも高所での作業が多いため危険性が高い。クリ生産者の高齢化や女性化の進行に伴って、これに替わる整枝法やせん定法が求められるようになった。そこで、生産性が低下せずに作業効率が良く、危険性の少ない低樹高整枝法(せん定作業高2~2.5m、前年に着果した結果母枝は原則として利用しない)並びにせん定用具等を活用したせん定手法を開発し、せん定作業の省力化を図る。
成果の内容・特徴
  1. せん定作業の高さを2~2.5mに制限し、それより高い位置にある側枝、特に前年に着果した結果母枝は原則として全てせん除する方法の低樹高樹は、慣行区に対して樹高で79%、樹冠占有面積で68%と、コンパクトな樹となる(表1)。
  2. 低樹高樹は、樹冠占有面積1m2当たりの収量では20%程度劣るが、大果で品質は向上する。せん定時間は慣行区に比べて16%程度省力化でき、作業の危険性もかなり少なくなる(表1)。
  3. 電動ハサミを用いたせん定法は、慣行の細密せん定法に比べ、せん定時間が23%程度省力化できる(表2)。
  4. 鋸引き主体によるせん定区(混んでいる部位の2~3年生側枝部分を鋸引きする方法)は、慣行区に比べ3L以上果の率が21%程度少ないが、2L以上果率では大差がない。一方、せん定時間では63%の大幅な省力化ができる(表2、表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 低樹高樹に改造する場合、2~3年程度にかけて徐々に樹高を下げていく。改造後は、側枝の更新を1~2年程度で行い、再び樹高が高くならないように注意する。
  2. 栽培規模の大きい農家では、鋸引き主体のせん定法がせん定の省力化技術として有効である。
図表1 221458-1.jpg
図表2 221458-2.jpg
図表3 221458-3.jpg
カテゴリ くり 省力化 低樹高

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