タイトル |
豊作年における早生温州の結果母枝発生促進のための不作年における枝処理法 |
担当機関 |
長崎県果樹試験場 |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
古川 忠
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発行年度 |
2000 |
要約 |
早生温州の隔年結果是正対策として、不作年に早期(6月~10月)から、強めの前年枝より発生した新しょうをせん除すると、翌年の着果過多年においても適正着果が確保され収量を減らすことなく、優良な結果母枝を発生させることができる。長崎県果樹試験場・常緑果樹科
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背景・ねらい |
早生温州にも隔年結果性が現れており安定生産技術の確立が望まれている。連年安定して結実をさせるためには、豊作年に優良結果母枝を多数発生させることが大切であり、そのための不作年の枝処理法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 枝の処理方法については、早期せん除区は、強めの前年枝からでた新しょうを6月、8月、10月にせん除する。10月せん除区は、当年枝からでた夏秋しょうを10月に除去する。2月せん除は、当年枝からでた夏秋しょうを2月に除去する。
- せん除量は、早期せん除区が最も多く1樹当たり11kgで、時期別のせん除量は6月が5.3kg、8月が5.3kg、10月が0.4kgである(表2)。
- 翌年の母枝当たり着花数は、早期せん除区が最も少なく、特に母枝当たりの有葉花数が少ない。花葉比(花数を旧葉で除した値)についても早期せん除区が少ない(表1)。
- 翌年の母枝当たりの新しょう発生数は、早期せん除区が最も多く、次いで10月せん除区で、2月せん除区は最も少ない。旧葉に対する葉芽の割合も同様な傾向である(表1)。
- 1樹当たりの収量は、早期せん除区がやや多い(表2)。
- 樹の上部と樹の下部では着花数並びに新しょう発生数に差はない(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 豊作年に新しょうの発生を促進させるためには、不作年の6月からの早期せん除が効果的であるが、その後に発生する夏枝処理を行わないと、結果枝となり次年には着花(果)するので8月の再処理が必要である。
- 6月からの早期せん除を行うと、冬のせん定は程度を軽くしてよい。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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