タイトル |
促成栽培トマトの総合防除でハモグリミドリヒメコバチと併用できる選択的殺虫剤 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
マメハモグリバエの土着天敵、ハモグリミドリヒメコバチに影響の少ない殺虫剤を明らかにした。これらの選択的殺虫剤とハモグリミドリヒメコバチを組み合わせることにより、施設栽培トマトでの総合防除の組み立てが可能となる。福岡県農業総合試験場・病害虫部・野菜花き病害虫研究室
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背景・ねらい |
施設栽培トマトにおいてマメハモグリバエの土着寄生性天敵、ハモグリミドリヒメコバチを利用した総合防除体系を確立するためには、本天敵に影響の少ない殺虫剤を組み合わせて主要害虫を防除する必要がある。そこで、ハモグリミドリヒメコバチ成虫に対する殺虫剤の影響を明らかにし、本天敵と併用できる殺虫剤を選抜する。
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成果の内容・特徴 |
- BT剤およびIGR剤のハモグリミドリヒメコバチの成虫に対する影響はほとんど認められない(表1)。また、新規系統殺虫剤の中で、エマメクチン安息香酸塩乳剤とスピノサド水和剤の影響は極めて強いが、ピメトロジン水和剤、インドキサカルブMP水和剤およびオレイン酸ナトリウム液剤の影響はほとんど認められない(表1)。
- 殺ダニ剤のクロルフェナピル水和剤、ミルベメクチン乳剤およびケルセン乳剤の成虫への影響は強い(表1)。
エマメクチン安息香酸塩とミルベメクチン乳剤は成虫への影響は大きいが、処理7日後には補正死亡率が25%以下となる。- 合成ピレスロイド系のエトフェンプロックス乳剤とアクリナトリン水和剤、ネオニチノイド系のニテンピラム水溶剤とチアメトキサム水和剤は成虫に対する影響が極めて強い(表1)。
- 施設栽培トマトにおいてハモグリミドリヒメコバチと本天敵に影響の少ない選択的殺虫剤の併用により総合的害虫管理の組み立てが可能である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 施設栽培トマトでハモグリミドリヒメコバチを利用した総合的害虫管理を普及する際に指導資料として活用できる。
- IGR剤については幼虫に対する影響を確認する必要がある。
- ハモグリミドリヒメコバチは未登録であるため、登録取得の促進が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
くり
施設栽培
土着天敵
トマト
防除
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