タイトル |
K式簡易ハウスの耐風性と補強方法 |
担当機関 |
沖縄県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
K式簡易ハウスは上部及び側面からの加重に対する剛性は高いが、妻面からの加重には弱い。このため、ハウス周囲に防風垣や植被層を設置するか妻面をワイヤー等で補強することにより大型台風にも耐えることが期待できる。沖縄県農業試験場・経営機械部・農業機械研究室
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背景・ねらい |
近年、低コストで強靱な園芸用施設の開発が求められている。営農現場では、ハウスの構造や設置方法等を工夫し、永年使われ続けているものも少なくない。ここでは、耐風性に優れた施設として注目されているK式簡易ハウスの強度を構造力学的シュミレーションにより検証するとともに、ハウスの簡易な補強方法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- K式簡易ハウスは、アーチパイプを鉄筋で組み合わせ、トラス状に補強した構造を成しており耐風性に優れた簡易ハウスである(図1)。
- 当該ハウスは上方及び側面からの加重に対し、比較的強い剛性を保持している。しかし、妻面(長手方向)からの荷重については、ハウス周囲に風を遮るものが無い場合、最大瞬間風速30m/sでも倒壊する危険性がある(図2)。
- ハウスの周囲に、1m高の植被層が存在するような条件下では、摩擦係数が大きくなるため(表1)、最大瞬間風速40m/sの荷重にも耐えることが期待できる(データ省略)。
- 妻面前方(地上高1.9m)をワイヤー等で引張補強をすることにより、ハウス周辺が裸地の場合でも、最大瞬間風速40m/sの荷重をしのぐことが期待できる(表2、図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 解析は、構造解析ソフト「FEMAP7.01」と「NASTRAN」を用いて演算処理した。
- ハウスの接合部は剛接、基礎は完全固定を前提とし、荷重は静荷重としてシュミレーションした。また、妻面部の補強はφ9mm鉄筋の剛接を条件としている。但し、現場で利用する際には、脱着に便利なワイヤーで補強する方が作業性が高まる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
簡易ハウス
経営管理
低コスト
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