タイトル |
手切り収穫体系における加工用(業務用)冬出キャベツの商品化率と生産費 |
担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
加工用(業務用)冬出キャベツは商品化率の高さと、一斉収穫や調整・荷造り作業の簡略化により、1kg当たり労働時間が青果用より53%少ない。商品化率の向上と1個当たり重量の増加及び省力化により、加工用キャベツ1kg当たり生産費は、青果用より40%低い。
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背景・ねらい |
キャベツ作においては機械化一貫体系の技術確立が進められており、中でも全自動収穫機への期待は大きい。現状での全自動収穫機利用は、加工用キャベツを前提としている。しかし、加工用キャベツの作業工程や労働時間、商品化率、出荷量等の基礎数値は明らかではない。今後、全自動収穫機の実用化に向けて技術、経営評価を進めるために、ここでは手切り収穫体系での加工用キャベツの基礎数値を明らかにする。事例農家は地域基幹研究の現地実証農家で、10ha規模のキャベツを加工用(業務用)の契約栽培を主体に、一部青果用として市場出荷を行っている。
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成果の内容・特徴 |
- 加工用キャベツは一斉収穫が可能で、収穫で使用する通いコンテナのまま出荷できるため調製・荷造り作業が簡略化できる。10a当たり労働時間は45時間で、2回収穫の青果用キャベツの71時間に比べ37%省力化できる(図1)。
- 加工用キャベツは、出荷規格と品質基準が青果用より緩やかであるため、商品化率が高い(図2、表1)。
- 加工用キャベツは、最も高い単価が期待される青果用のL規格(8玉/1箱10kg)より平均で30%程度重い重量で出荷される(表1)。
- 加工用キャベツの10a当たりの出荷量は6.3t程度で、上記2、3の要因によって青果用より35%多く、1kg当たり労働時間は青果用より53%少ない(図1、表1)。
- 10a当たり生産費は、労働費の違いから加工用が青果用より20%低く、1kg当たり生産費では出荷量の差が加わるため40%低い(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 水稲点播直播とキャベツ機械化一貫体系を組み入れた大規模複合経営モデルを策定する際の基礎数値として活用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
加工
機械化
キャベツ
経営管理
経営モデル
収穫機
出荷調整
省力化
水稲
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