タイトル |
DNAマーカーによるパパイアの性識別 |
担当機関 |
(財)岩手生物工学研究センター |
研究期間 |
2000~2002 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ランダムプライマ-IBRC-RP07を用いたRAPD分析により、雄及び両性特異的に増幅される450bpの長さの多型(性識別マーカー)を得た。SCARマーカーへの変換及びサザンハイブリダイゼーションの結果、性識別マーカーは雄及び両性特異的な染色体領域に位置することが示唆された。沖縄県農業試験場・企画管理部・バイオテクノロジー研究室、(財)岩手生物工学研究センター
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背景・ねらい |
パパイアは雄、雌、両性の3つの性表現型を持つ熱帯果樹で、果実として商品価値が高いのは両性果実である。コスト面から種子繁殖が行われるパパイアの性識別は花が咲くまで形態による判断ができない為、1箇所に複数本仮定植し、花型による性識別により必要な株を残す栽培法を行っている。しかしながら、この方法では、育苗や栽培コストがかさむため、育苗段階(開花前)でのパパイアの性識別法の開発が期待されていた。そこで、RAPD分析による性識別マーカーの探索を行った。
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成果の内容・特徴 |
- ランダムプライマ-IBRC-RP07を用いたRAPD分析により、雄と両性のパパイアにのみ増幅される性識別マーカーを得た(図1)。
- 性識別マーカーは450bpの長さで、両端にIBRC-RP07の配列を有していた(図2)。
- 性識別マーカーの塩基配列をもとに合成した特異的プライマ-SDP-1とSDP-2を用いて性識別マーカーをSCAR(Sequence-Characterized Amplified Region)マーカーに変換することができた(図2、図3)。
- SCARマーカーによる性識別結果と性識別マーカーをプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析の結果、性識別マーカーと相同な配列は、雄と両性に存在するが、雌には存在しない(図3、図4)。
- 沖縄県奨励品種「サンライズ」の苗には雌と両性が1:2の割合で存在するが、SCARマーカーを用いて迅速且つ確実に両性株の選抜を行うことができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 特許出願(平成12年10月3日付)
- 名称:DNAマーカーを用いるパパイアの性識別方法(特願2000-303268号)
- 概略:PCR及びサザンブロット解析により得られる性識別マーカーの有無によるパパイアの性識別方法
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
コスト
栽培技術
DNAマーカー
繁殖性改善
品種
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