タイトル |
木炭を応用した脱臭システム |
担当機関 |
大分畜試 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
再生循環資源である木炭を利用した脱臭システムを開発するため、脱臭剤の性能及び実証機を製作し試験を行った結果、木炭(無処理木炭)は、酸性ガスに高い吸着力を示し、酸添着木炭(木炭を酸性溶液で処理)は、アルカリ性ガスに高い吸着率がある。
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キーワード |
木炭、脱臭システム、酸添着木炭
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背景・ねらい |
畜産地域周辺での悪臭や水質汚濁等の環境問題が深刻化しつつあり、畜産経営の健全な発展のため、悪臭対策に取り組み、バイオマスとして近年注目されている木材資源炭化物である木炭を利用した脱臭剤の開発及び脱臭システムの開発を行っている。
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成果の内容・特徴 |
- 再生循環可能なバイオマス資源である木炭を活用している。使用後の木炭は土壌改良材として再利用が可能である。木炭を酸性処理した酸添着木炭は酸添着活性炭に比べ、アンモニア、トリメチルアミンの吸着率が高い。(表1)
- 直径40cm高さ1m規模の実験用脱臭装置に木炭を充填し、悪臭ガスを通気させると、酸添着木炭がアンモニア、トリメチルアミンの吸着率が高い。また無処理木炭を用いた場合、低級脂肪酸、硫黄化合物の吸着率に良好な結果を示す。(表2)
- 木炭を充填した実証用脱臭装置(図1)を設置して堆肥化施設(豚ぷん)での実証を行った結果、10ヶ月間の連続運転で排気中のアンモニアガス濃度は、50ppm前後で推移(図2)臭気濃度も400程度で推移(図2)しており拡散させれば問題のない濃度である
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成果の活用面・留意点 |
- 悪臭ガスの種類により脱臭剤の量や組み合わせを変更することが可能であり、堆肥化時の悪臭を脱臭できる。
- 廃木炭を土壌改良材として利用する場合、土壌の化学性を加味し無処理木炭は土壌容積に対し10%、酸添着木炭は1%以内程度の施用が可能である。
- 試験結果より母豚80頭の一貫、堆肥化容積129m3規模での木炭の寿命は1年間は可能と考えられる。建設費は、脱臭システムとして600万円(脱臭塔はステンレス仕様)またランニングコストは電気代として63万円/年、全ての木炭詰め替えに34万円必要でありる。
- 24時間運転した場合の悪臭を含む空気の湿度により脱臭剤の寿命が大きく変化するので除湿作業は必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
経営管理
コスト
土壌改良
豚
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