いもち病抵抗性イタリアンライグラスとエン麦の晩夏播き混播栽培

タイトル いもち病抵抗性イタリアンライグラスとエン麦の晩夏播き混播栽培
担当機関 長崎県畜産試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2001
要約 いもち病に抵抗性が強い極早生イタリアンライグラス山系31号を利用すると、晩夏播きによる極早生エン麦との混播が可能である。その場合、年内草の乾物収量、粗蛋白質収量および可消化乾物収量がイタリアンライグラス単播よりも高い。
キーワード 晩夏播き、いもち病、乾物収量、可消化乾物収量、混播、山系31号
背景・ねらい イタリアンライグラスは高温期に播種するといもち病に罹病する危険性が高いため、長崎県では気温の低下する9月下旬以降に播種されている。近年、イタリアンライグラスにおいていもち病の抵抗性をもつ系統が育成されており、イタリアンライグラスを8月下旬から9月上旬の晩夏に播種しても、罹病して枯死する割合が少なくなった。イタリアンライグラスと極早生エン麦との混播は、長崎県ではイタリアンライグラスの播種適期である9月下旬以降に播種されることが多く、このような作付け体系では、トウモロコシ普通作収穫後の8月上旬から1ヶ月以上も飼料畑の作付けに空白期間が存在し、圃場の有効利用および自給飼料確保の観点からみると必ずしも適当ではない。そこで、年内および再生草における収量確保と飼料品質の向上を目的とした晩夏播きによるいもち病に抵抗性をもつ極早生イタリアンライグラスと極早生エン麦との混播栽培を行い、新たな作付け体系の可能性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 山系31号のいもち病抵抗性はミナミアオバよりも強いため、9月上旬の晩夏播きが可能である(表1)。
  2. エン麦との混播栽培において、山系31号はミナミアオバと比較して、イタリアンライグラスの混入割合が高く、春1番草、春2番草および3回刈り合計の乾物収量が高い(図1、図2、表2)。
  3. 山系31号とエン麦の混播は、山系31号およびミナミアオバの単播よりも年内草における乾物収量、粗蛋白質収量および可消化乾物収量が高く、3回刈り合計の乾物収量、粗蛋白質収量および可消化乾物収量は、山系31号単播と同程度である(図2、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 山系31号は、主として九州地方の西南暖地における9月上旬の晩夏播きに適するため、トウモロコシ普通作の収穫後間もない時期に播種可能である。
  2. 混播区におけるイタリアンライグラスの播種割合は再生収量に影響するため、イタリアンライグラスの播種量の検討が必要。
  3. 集中的な降雨によりエン麦が倒伏したため、11月6日に刈取りを行ったが、極早生エン麦のホールクロップ利用が可能な12月下旬の刈取りについても検討が必要。
  4. 山系31号単播では、エン麦との混播に比べて年内の乾物収量では低くなるものの、再生草の乾物収量が高く、倒伏の危険性も少ない。
図表1 221713-1.jpg
図表2 221713-2.jpg
図表3 221713-3.jpg
図表4 221713-4.jpg
カテゴリ イタリアンライグラス いもち病 えん麦 抵抗性 とうもろこし 播種

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