タイトル |
腐植物質を併用した活性汚泥法による乳牛の尿処理技術 |
担当機関 |
大分県畜産試験場 |
研究期間 |
1996~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
腐植ペレットを利用した尿処理システムの処理能力と処理水の悪臭防止効果や液肥としての可能性を調査。本システムは、一律排水基準は満たすものの上乗せ排水基準(COD、SS)を満たすのは難しく、液肥として利用する際にはK濃度に留意する必要がある。
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キーワード |
尿処理、活性汚泥法、腐植物質
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背景・ねらい |
腐植質ペレットを利用した汚水処理システムは、浄化能力、処理水の悪臭防止効果や液肥としての有用性が注目されている。この施設を当畜産試験場内に設置し、浄化能力、悪臭防止効果等の実証試験を実施するとともに、処理水を液肥として各耕種作物へ施用し、生育促進効果、土壌改良効果等を検討し、処理施設の設置・管理並びに液肥の利用方法を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 浄化処理の最終処理水槽の水質は、対照区(従来の活性汚泥法)、試験区(腐植質ペレット及び鉱物を添加した活性汚泥法)ともに一律排水基準(pH、B0D、C0D、SS)を満たすが、上乗せ排水基準(COD60mg/l、SS60mg/l)は満たせない。
- 腐植物質を添加することによりSSが良好な除去率を示す。(表1)
- 臭気物質は、アンモニアが両区の流量調整槽で、硫化水素は対照区の各槽で検出されたのみでプロピオン酸、メチルメルカプタン、ノルマル酪酸は検出されない。(表2)
- 培養槽中の汚泥から、Bacillussp.及びPseudomonassp.を有意に分離し、その菌数はBacillussp.が1.8×104CFU/ml、Pseudomonassp.が1.5/104CFU/mlになる。
- 腐植質ペレットの抽出液(粉砕抽出、静置抽出及び加温抽出)が培養槽から分離された2種の細菌の発育に与える影響を調査した結果、粉砕抽出液を添加した液体培地で2菌種とも増菌が認められる。
- 浄化処理水の病原性細菌(大腸菌、サルモネラ菌)に対する発育抑制効果は認められない。
- 処理水の、堆肥化初期における悪臭防止効果は確認できない。
- トマト、キャベツ、白ネギの処理水施用による収量、生育、抗病性等の有用性は確認できない。(表3)
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成果の活用面・留意点 |
- 本システムは、一律排水基準をクリアできるものの、上乗せ排水基準を満たすのは難しく、排水基準の厳しい地域では洗浄水として再利用や、液肥としての利用を考慮する必要がある。
- 処理水を液肥として使用する際には、カリ成分が高いので希釈施用する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
キャベツ
土壌改良
トマト
乳牛
ねぎ
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