日本ナシ「新高」の好適生育基準とその誘導技術

タイトル 日本ナシ「新高」の好適生育基準とその誘導技術
担当機関 熊本農研セ果樹研
研究期間 1997~2001
研究担当者
発行年度 2001
要約 日本ナシ「新高」の生育期各ステージにおける樹相を調査し、高収量、高品質、安定生産が可能な樹相を数値によって指標化し、好適生育基準を策定するとともに、それへの誘導技術を確立した。
キーワード 日本ナシ、新高、樹相、生育基準
背景・ねらい 地域特産的性格が強い日本ナシ「新高」は、研究の蓄積が少なく、栽培技術が体系化されていないため、産地や生産者間で収量、品質のバラツキが大きく、高品質の安定多収技術の確立が要望されている。そこで、生育期別の好適生育・成熟パターンを明らかにして好適生育基準を設定するとともに、それへの誘導技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 目標収量及び品質は、10a当たり収量6t、1果重700g以上、糖度13以上とする(表1)。
  2. せん定は、側枝間隔を約50cmと従来より狭くして側枝密度を高めるとともに、1~5年生側枝を均等に配置する(表1)。
  3. 摘果は、着果数9果/m2、葉果比70~80を目安として行う(表1、表2)。なお、700g以上の果実を生産するためには、満開後60日目頃に横径が35mm以下の小玉果を摘果する(表1)。
  4. 新梢停止時以降のLAI(葉面積指数)は、2.5~3.0が最適である(表1、表2)。
  5. 収穫時期は、成熟日数180日、成熟積算温度摂氏4000度、果肉硬度4lbs、糖度13以上等を指標として決定する(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「新高」の栽培管理のための診断基準、栽培技術指導資料として活用できる。
  2. 大果生産により生理障害の発生が助長されるので、みつ症及びてい窪部の亀裂が多い園では、そのための十分な対策を行っておく。
  3. 側枝間隔を狭めることで過繁茂となりやすく、成熟期に日照時間が少ない年には糖度の低下が懸念されるので、LAIが2.5~3.0になるように夏季せん定を行う。
図表1 221751-1.jpg
図表2 221751-2.jpg
カテゴリ 安定多収技術 栽培技術 生理障害 日本なし

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