受粉用ヒュウガナツの倍数性調査と優良個体の選抜

タイトル 受粉用ヒュウガナツの倍数性調査と優良個体の選抜
担当機関 宮崎県総合農業試験場
研究期間 1999~2003
研究担当者
発行年度 2001
要約 受粉用ヒュウガナツは完全な4倍体ではなく、2x,4xの周縁部分キメラで樹齢の進行とともに2倍体への先祖戻りが見られる。少核果生産の受粉樹として先祖戻りの少ない5個体が有望である。
キーワード ヒュウガナツ、少核果、受粉、キメラ、先祖戻り
背景・ねらい ヒュウガナツの安定生産には受粉が必要で、現在では少核果生産を目的としてナツミカンの4倍体花粉が用いられている。本県で探索した枝変わりヒュウガナツは蕾や葉の特性、花粉母細胞の染色体数により、4倍体ヒュウガナツと判断し、受粉樹として活用されていた。しかし、最近、着果率が極めて悪くなり、殆ど受粉樹として使われていない。そこで、この系統の倍数性を調査し、少核果生産に適した優良個体を選抜する。
成果の内容・特徴
  1. 原木の葉は9亜主枝中、4xキメラは1枝のみで他の亜主枝は2倍体である。花粉は9枝中、6枝で4xキメラを呈する(表1)。
  2. 原木から採穂して高接した樹や複生苗は、4xキメラを示す個体と2倍体の個体があり、13年生以降の高樹齢ほど2倍体が多い(表2-1~3)。
  3. キメラ率の高い亜主枝や3年生複生苗の花粉による受粉で、着果率が61.1~77.8%とナツミカン4倍体の74.4%とほぼ同等で「西内小夏」や「白鳥日向」より高い(表3)。
  4. 3カ年の調査で安定した4xキメラ(葉、維管束、花粉が2x,4xのキメラ)を持つ個体として、原木No9亜主枝、支場母樹No6,No8亜主枝、清武佐藤ハウス受粉樹No3,No4樹(10年生)の5個体を選抜した。
成果の活用面・留意点
  1. 今後、先祖戻りの可能性もあり継続的な検討が必要である。
  2. 短果枝や節間が短い緑枝の多い亜主枝で2倍体の傾向がある。
図表1 221772-1.jpg
図表2 221772-2.jpg
図表3 221772-3.jpg
カテゴリ 受粉 なつみかん 日向夏

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