タイトル |
トルコギキョウの底面給水栽培における育苗期間と施肥量 |
担当機関 |
大分温熱花研 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
トルコギキョウの底面給水栽培では、苗は288穴セルで播種後9週間育苗し、本葉3対程度のものを用いる。肥料は被覆肥料100日タイプを使用し、施肥量はN成分で株当たり0.260g~0.455gとする。
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キーワード |
トルコギキョウ、底面給水、育苗、施肥量
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背景・ねらい |
一般にトルコギキョウの栽培では追肥回数が多く、生育初期は多かん水にし、生育後期はかん水を控えるなど栽培管理が煩雑で生産者間の品質格差が大きい。現在、省力安定生産が可能な栽培法として、トルコギキョウの底面給水栽培が大分県内に導入されつつあるが技術的に未解明な部分が多い。そこで本栽培法に適する苗質および施肥量を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- トルコギキョウの底面給水栽培は、ポットに用土と肥料分を入れたものに苗を植え、底面給水ベンチ上で採花期まで栽培管理を行う栽培法である。これにより、かん水や施肥量を均一化でき、品質の揃いが良い切り花が生産できる。
- 288穴セルトレイに播種後9週で根鉢が形成され、本葉3対程度の苗となる。10週育苗では節間伸長が始まり徒長苗となる。9週育苗までは育苗期間が長いほど開花が早く、9週と10週育苗の間に差は認められない。切り花長は7週育苗が最も長くなるが、切り花重、花蕾数は9週育苗が優れる(表1)。
- N成分で株当り0.195gまでは施肥量の増加に伴い切り花長が長くなり、逆に0.260g以上では切り花長が短くなる傾向が見られる。また、切り花重は0.260g~0.520gが重く、花蕾数は0.195g~0.455gが多い(表2)。
- プランター栽培に比べ底面給水栽培では、乾物重が重く、P含有率が高く、Ca含有率が低い。他の無機成分の含有率の差は少ない。また、切り花重、切り花長、開花数等の切り花形質は底面給水栽培がプランター栽培より優れ、晩生の「つくしの雪」では底面給水栽培により高温期の作型でも十分な切り花形質が得られる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 苗の根張り不足や施肥過多により株枯れが発生し、採花率が低下する。
- 土耕栽培に比べ生理障害では葉先枯れ、病害虫では根腐病とクロバネキノコバエ類が発生しやすい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
害虫
栽培技術
生理障害
施肥
トルコギキョウ
根腐病
播種
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