タイトル |
奄美群島のサトウキビ栽培地帯に発生する植物寄生性線虫類 |
担当機関 |
鹿農試大島 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
奄美群島のサトウキビ栽培地帯では、ラセンセンチュウ類の発生が多く、次いでイシュクセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類が多い。
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キーワード |
サトウキビ栽培地帯、植物寄生性線虫類、ラセンセンチュウ、イシュクセンチュウ、ネグサレセンチュウ
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背景・ねらい |
奄美地域では、基幹作物であるサトウキビを主作とする輪作体系の確立がすすめられている。しかし、この地域のサトウキビやその前後作の生育に影響する土壌線虫類については、いまだ不明な点が多く、安定した輪作体系を確立するためには、これらの発生相の解明が必要である。
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成果の内容・特徴 |
- 奄美群島5島14市町村のサトウキビ、サツマイモ、サトイモを主とする17作物271圃場から土壌を採取し、線虫をベルマン法によって分離調査した。作物別調査圃場数は、サトウキビ117圃場、サツマイモ61圃場、サトイモ73圃場、キク3圃場、ソルゴー、カボチャ、ショウガ、パッションフルーツ各2圃場、ダイコン、キャベツ、ジャガイモ、インゲン、ゴマ、オクラ、ニガウリ、ピーマン、スーダングラス各1圃場の合計271圃場である。
- 271圃場全体から検出された主な植物寄生性線虫類の検出割合は、ラセンセンチュウ類(ナミラセンセンチュウが主)が50.3%と高く、イシュクセンチュウ類17.8%、ネグサレセンチュウ類(モロコシネグサレセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウが主)11.9%、ネコブセンチュウ類(サツマイモネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウが主)4.0%、ニセフクロセンチュウ6.1%であった(図1)。
- サトウキビ圃場における検出圃場率は、ラセンセンチュウ類が75%以上、イシュクセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類が約50~60%であった。また、発生圃場での圃場当たり平均検出線虫数(乾土20g)は、ラセンセンチュウ類が約140頭、イシュクセンチュウ類113頭、ネグサレセンチュウ類64頭であった(図2、図3)。
- サツマイモ圃場における検出圃場率は、ラセンセンチュウ類が80%以上と高く、次いでネコブセンチュウ類、ニセフクロセンチュウが40%以上であった。平均検出線虫数は、ラセンセンチュウ類が136頭、ネグサレセンチュウ類とニセフクロセンチュウが約90頭であった。
- サトイモ圃場における検出圃場率は、ラセンセンチュウ類が約50%で、ネグサレセンチュウ類が30%近くを示した。また、サトウキビ、サツマイモ圃場に比べ線虫の発生は少なく、平均検出線虫数は、両線虫とも約40頭であった。
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成果の活用面・留意点 |
- ネグサレセンチュウ類についてサトウキビ圃場では、モロコシネグサレセンチュウが、サツマイモ、サトイモ圃場では、ミナミネグサレセンチュウが主に発生している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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