Phoma sp.によるゲットウ輪紋病(新称)の発生

タイトル Phoma sp.によるゲットウ輪紋病(新称)の発生
担当機関 沖縄農試
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 2001
要約 ゲットウ(Alpinia speciosa K.Schum)の葉に、はじめ褐色円形の小病斑が生じ、しだいに融合して大型病斑となり、後に、葉全体が枯死する病害が発生した。病原菌はPhoma sp.と同定された。本病をゲットウ輪紋病と命名する。
キーワード ゲットウ(Alpinia speciosa K.Schum)、Phoma sp.、ゲットウ輪紋病
背景・ねらい 近年、沖縄県下のゲットウ(Alpinia speciosa K.Schum)栽培地域において、ゲットウの葉が褐変、枯死する病害が発生している。ゲットウは主に葉を収穫し、漢方薬等あらゆる用途に用いられていることから、本病害の発生は栽培上重要な病害で、本病の病原菌を同定し、防除対策を立てる必要がある。
成果の内容・特徴
  1. ゲットウ葉に、はじめ褐色円形の小病斑が生じる。しだいに融合して大型病斑となり、後に、葉全体が枯死する(図1、図2)。
  2. 枯死した病斑部には褐色で、剛毛のない柄子殻が多数認められる。
  3. 病斑部分から、PDA培地上で表面白色、裏面褐色の菌叢を形成する糸状菌が高率に分離される。
  4. 本菌はゲットウ葉への無傷接種では発病しないが、有傷接種で病徴が再現される。これらの病斑からは接種に用いた菌株と同一の菌が再分離される。
  5. 本菌はPDA培地上で褐色、球形~偏球形の柄子殻を形成し、大きさは直径75~210μm(平均130μm)。柄胞子は、無色、単胞、楕円形で内部に1~3個の油球を有し、大きさは6.7~12.5×2.4~4.8μm(平均8.7~3.1μm)である。分離菌は3種のPhoma属菌と一致する点も多いが、柄胞子の大きさ、菌叢の色で違いが認められる(図3、図4、表1)。
  6. 本菌は摂氏15~35度の範囲で生育、適温は摂氏25~30度である(図5)。
  7. 以上の結果から、本菌をPhoma sp.と同定し、病名をゲットウ輪紋病とする。
成果の活用面・留意点
  1. 防除技術開発の基礎資料となると共に、病害診断技術として活用できる。
図表1 221866-1.jpg
図表2 221866-2.jpg
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図表4 221866-4.jpg
図表5 221866-5.jpg
図表6 221866-6.jpg
カテゴリ 病害虫 診断技術 防除

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