タイトル |
エクストルーダ成型機で成型した家畜ふん堆肥の窒素肥効特性 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
エクストルーダ成型機で成型した発酵鶏ふんの窒素無機化率は、原料であるバラ鶏ふんの3~4割である。モミガラ牛ふん堆肥のみの成型堆肥では、窒素の肥効は非常に低いが、菜種油かすや尿素を混合して成型することにより、肥効の改善が図れる。
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キーワード |
成型堆肥、エクストルーダ成型機、発酵鶏ふん、モミガラ牛ふん、窒素
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背景・ねらい |
家畜ふん堆肥の流通を促進するため、堆肥を成型化したり、肥効の異なる他種の有機質や化学肥料と混合するなどにより、ハンドリング性の向上や肥効の改善を図ることが課題となっている。こうした中、エクストルーダ成型機は比較的高水分の堆肥でも成型できることや、機械の維持管理作業が容易であるなどの利点があり、この機種による成分調整成型堆肥の開発が進められている。しかし、堆肥の製造に至るまでの成型や乾燥の過程で、原料のバラ堆肥と肥効が変動すると予想される。そのため、窒素無機化試験及び小松菜栽培試験により、成型堆肥の肥効を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- エクストルーダ成型鶏ふん堆肥を土壌に施用すると、土壌中の無機態窒素量は原料のバラ鶏ふん(成型堆肥の原料である発酵鶏ふんを、そのまま無機化試験に供試)に比べ少なくなり、窒素無機化率はバラ鶏ふんの3~4割である。成型鶏ふん堆肥の比較では、直径の大きい10mmが5mmより窒素無機化率が低い(図1、表1)。
- 原料であるモミガラ牛ふん堆肥(バラ牛ふん堆肥)の土壌中無機態窒素量は、腐熟度の相違により著しく変動する。一方、成型牛ふん堆肥では、いずれの堆肥も土壌に施用後は速やかに窒素の有機化が進み、土壌中の無機態窒素が急激に減少するため、窒素の肥効は非常に低い(図2)。
- 完熟モミガラ牛ふん堆肥に尿素や菜種油かすを混合して成型することにより、肥効の改善が図られ、堆肥の施用と施肥を同時に行うことができる。成型しても、堆肥中の尿素の肥効は尿素の単独施用と変わらず、小松菜の生育、収量、窒素吸収量は同等である(表2)。
- 菜種油かすとの混合成型堆肥(牛ふんに対し重量で50%)を施用した場合、小松菜の収量や窒素吸収量は化学肥料に比べやや少ないが、成型堆肥中の油かすの窒素利用率は45%で、化学肥料の窒素利用率(60%)の約75%に相当するため、油かすを単独で施用した場合の肥効と遜色はないと考えられる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 堆肥の成分調整を行うために活用し、成型堆肥の施用技術確立に資する。
- モミガラ牛ふん堆肥を原料とした成型堆肥を対象としており、オガクズ牛ふん堆肥には適用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
乾燥
施肥
施用技術
鶏
ばら
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