タイトル |
大規模複合経営における水稲点播直播とキャベツ新技術の導入効果 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2001 |
要約 |
水稲とキャベツの大規模複合経営に水稲点播直播とキャベツ新技術を導入すると、水稲、キャベツの作付面積は慣行技術での規模限界とほぼ変わらないが、労働時間が8%短縮され、所得が5%、1時間当たり所得が14%増加する。
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キーワード |
複合経営、水稲点播直播、キャベツ、所得、労働時間
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背景・ねらい |
水田作での水稲と露地野菜の大規模複合経営では、転作田や裏作田の効率的利用を図りながら、水稲、野菜のそれぞれに省力技術を取り入れて規模拡大を進めている。ここでは大規模複合経営の育成に資するため、現地実証試験の数値をもとに水稲点播直播とキャベツの超砕土ロータリ、作畝同時施肥機、全自動収穫機を導入した大規模複合経営モデルでのシミュレーション分析を行い、新技術導入の効果を明らかにする。なお、現地実証農家は水稲2.5ha、加工用キャベツ9.0haの大規模複合経営である。
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成果の内容・特徴 |
- 慣行技術での規模限界を求めると、慣行より水稲作付面積は5.9ha増加し、キャベツ作付面積は変わらない。規模限界での所得は1,543万円で慣行より32%増加し、1時間当たり所得も16%増加する。労働時間は14%増加する(表4)。
- 水稲作付面積を慣行に固定してキャベツ新技術を導入すると、慣行よりキャベツ作付面積は0.7ha増加し、所得が9%、1時間当たり所得が10%増加する。労働時間はわずかに減少する。(表4)。
- 水稲を移植栽培から点播直播に切り替えると、慣行技術の規模限界より水稲作付面積は0.2ha増加するもののキャベツ作付面積が0.7ha減少し、所得は2%低下する。直播作業の適期は6月上旬で移植より1旬早くなるため、初夏出しキャベツの収穫作業と競合が生じ、初夏出しキャベツが作付できない(表4)。
- 水稲点播直播とキャベツ新技術を同時に導入すると、水稲、キャベツともに慣行技術の規模限界とほぼ同等の作付面積になるものの、所得が5%、1時間当たり所得が14%増加する。労働時間は8%短縮する(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 水稲点播直播及びキャベツの省力技術導入を図る際の参考資料として活用できる。
- 大規模複合経営の担い手育成を図る際のモデル指標として活用できる。
- キャベツ全自動収穫機の収量等は加工用キャベツを対象とした数値であり、青果用では商品化率の検証が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
規模拡大
キャベツ
経営管理
経営モデル
収穫機
新技術導入
水田
水稲
施肥
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