タイトル | パキスタン大麦遺伝資源から得られた優性の大麦縞萎縮病抵抗性遺伝子 |
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担当機関 | 福岡県農業総合試験場 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
古庄雅彦 甲斐浩臣 塚崎守啓 馬場孝秀 |
発行年度 | 2002 |
要約 | パキスタンにおいて収集した大麦遺伝資源からこれまで明らかにされた遺伝子とは異なる単因子優性の大麦縞萎縮病抵抗性遺伝子を持つ六条・皮性・並性の系統が得られ、本病抵抗性品種育成に利用できる。 |
キーワード | 大麦縞萎縮病、抵抗性、パキスタン、優性遺伝子 |
背景・ねらい | 1996年にパキスタン・イスラム共和国で実施した麦類遺伝資源の探索と収集において得られた大麦遺伝資源について、大麦縞萎縮病抵抗性を評価する。また、抵抗性についての遺伝様式を明らかにするとともに、抵抗性系統の特性を調査して育種に有効な情報を得る。 |
成果の内容・特徴 | 1. パキスタン北西辺境州の31地点から収集し純系分離した合計160系統のうち、8地点において収集した8系統の大麦遺伝資源は大麦縞萎縮病ウイルス系統I型に対して抵抗性を有する。また、出穂・成熟期,稈長・穂長の変異が大きい(表1)。 2. 8系統は六条・皮性・並性で共通しているが、PK23-2のみは葉鞘に毛を有し、秋播性程度がVIと他の系統とは特性が異なる(表1)。 3. PK23-2と大麦縞萎縮病感受性品種ダイセンゴールド、同病抵抗性品種ほうしゅんとの組合せから得られたF1およびF2の大麦縞萎縮病に対する反応から、同病抵抗性は、これまでにはない単一の優性遺伝子によると判断される(表2)。 4. 優性抵抗性遺伝子の染色体上の位置は不明であるが、条性および葉鞘の毛の有無を支配する遺伝子とは独立に遺伝する(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. PK23-2の持つ優性抵抗性遺伝子は新しい大麦縞萎縮病抵抗性遺伝資源として大麦育種に利用できる。 2. この抵抗性遺伝子は大麦縞萎縮病ウイルスIII型系統にも抵抗性を示す。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 育種 萎縮病 遺伝資源 大麦 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 品種 |