携帯型非破壊品質評価装置によるハウスミカンの品質予測

タイトル 携帯型非破壊品質評価装置によるハウスミカンの品質予測
担当機関 大分柑橘試
研究期間 1999~2003
研究担当者 川野達生
深田久成
発行年度 2002
要約 ハウスミカン果実は携帯型非破壊品質評価装置を利用することにより、結実状態で満開後120日からの糖度測定、収穫時の糖度予測が可能であり、収穫時期に近づくほど予測精度が高くなる。
キーワード ハウスミカン、非破壊品質測定、携帯型、品質予測
背景・ねらい 高品質なハウスミカンを安定生産するためには生育中の果実品質を把握し、その後の栽培管理に反映させる必要がある。しかし、果実品質を測定するには果実を採取、破壊する必要があり、単価の高い果実であることから多くの果実を測定することが困難である。そこで、生育中のハウスミカン「宮川早生」の果実品質を結実状態で予測する方法として携帯型非破壊品質評価装置(クボタ社製携帯型青果物品質評価装置K-BA100)の実用性について明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
非破壊推定糖度と実測糖度の間には、測定を行った満開後120日から収穫時までいずれの時期も高い相関が認められ、測定誤差は0.2~0.3程度(Brix)である(表1)。
2.
非破壊推定酸度と実測酸度の相関はいずれの時期も低く、現状では測定誤差が0.14~0.32%程度で大きい(表2)。
3.
非破壊推定値と実測値には生育時期別、糖度・酸度別に一定の差がみられ、非破壊推定値を補正する必要がある(表1、2)。
4.
非破壊測定方法としては果実内に品質のバラツキがあることから、果実赤道部の対面2ヶ所を測定し、平均値を推定値とすることで誤差が小さくなる(データ略)。
5.
糖度の測定精度については、樹上で隣接する果実の平均値を測定値とすることで精度が高まり、標準誤差では3果以上で0.2以下(Brix)となる(表3)。
6.
収穫時の果実品質の予測では、生育時期別非破壊推定値と収穫時実測値の相関において、糖度は収穫時期に近づくほど高くなり、着果部位別では樹冠中部の相関が高く推移する。また酸度は樹冠下部の満開後120日から140日の相関のみがr=0.8程度で、その他の部位、時期では低い(図1)。
成果の活用面・留意点 1.
果実生育中の糖度変動が結実状態で同一果実を継続して測定でき、適正管理と収穫時の果実糖度予測に活用できる。
2.
ハウス内における結実状態での測定では、強い太陽光により測定精度が低下するので測定部位の遮光が必要であり、朝夕等の弱光条件下で測定しやすい。
図表1 222116-1.gif
図表2 222116-2.gif
図表3 222116-3.gif
図表4 222116-4.gif
カテゴリ 温州みかん 栽培技術 光条件

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