タイトル | 温州ミカンの隔年結果性と春枝結果母枝の花芽分化特性との関係 |
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担当機関 | 福岡農総試園研 |
研究期間 | 1991~2001 |
研究担当者 |
牛島孝策 松本和紀 矢羽田第二郎 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 温州ミカン結果樹の春枝結果母枝では11月上旬頃から3月まで花芽数が増加し、「山川早生」に比べて隔年結果性が強い「興津早生」と「青島温州」は春枝のデンプンが少なく、1月以降の花芽分化が抑制される。「興津早生」結果樹の春枝は、全摘果と夏季せん定により発生させた夏枝に比べて11月~1月のデンプンが少なく、花芽数も少なくなり、特に収穫時期が遅れた場合に花芽分化が抑制される。 |
背景・ねらい | 近年、温州ミカンは隔年結果の激化に伴う生産量と価格の変動が経営上の大きな問題となっており、全摘果等の生産安定対策が全国的な施策として実施されている。しかしながら、連年安定生産のための隔年結果防止対策は未だ十分には確立されてはおらず、着花安定の基礎となる花芽分化の機構も不明な点が多い。そこで、温州ミカンの隔年結果性の品種間差異と春枝結果母枝の花芽分化特性との関係を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 11月以降に収穫する早生種の「興津早生」や普通種の「青島温州」は、10月内に収穫を終える極早生種の「山川早生」に比べて収量の年次変動が大きく、隔年結果性が強い(表1)。 2. 温州ミカンの結果樹の春枝結果母枝では、11月上旬頃から3月中旬頃まで花芽数が増加する。「山川早生」は1~3月に花芽数が急増するのに対して、「興津早生」や「青島温州」は「山川早生」に比べて1月以降の花芽分化が抑制される(図1)。 3. 「興津早生」の結果樹の春枝は、7月上旬に全摘果と夏季せん定を行って発生させた夏枝に比べて花芽分化が遅く、花芽数も少なくなり、特に収穫時期が遅れた場合に花芽分化が抑制される(図2)。 4. 「山川早生」の結果樹の春枝は「興津早生」や「青島温州」の結果樹の春枝に比べて12月~2月のデンプン含量が多くなる。また、「興津早生」の結果樹の春枝は、全摘果と夏季せん定を行って発生させた夏枝に比べて11月~1月のデンプン含量が少なくなる(図1、図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 温州ミカンの隔年結果対策の参考資料として活用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 温州みかん 経営管理 品種 |