タイトル | 集約輪換放牧と連動スタンチョンを組み合わせた放牧育成牛の省力管理技術 |
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担当機関 | 熊本農研セ |
研究期間 | 1998~2001 |
研究担当者 |
時田康広 緒方雄一 川邊久浩 中畠吉直 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 集約輪換放牧と連動スタンチョンを組み合わせて放牧育成を行うことにより、繁殖・衛生管理に要する労働時間は2/3程度、延べ作業人員は23.8人削減でき、労働費も約8割程度削減できることから、放牧管理作業の大幅な省力化が可能である。 |
キーワード | 集約輪換放牧、連動スタンチョン、放牧育成、省力化 |
背景・ねらい | 放牧育成は省力・低コスト化のために有効な技術であるが、省力・低コスト化を更に進展させるために、集約輪換放牧と連動スタンチョンを組み合わせて、衛生管理作業や繁殖管理作業の効率化を図るとともに、放牧地を有効に活用した育成牛の省力管理技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 集約輪換放牧は連動スタンチョンを中心に、1~2日の滞牧で、10~14日で輪換放牧できるように電気牧柵を用いて牧区(1牧区:5頭で7a程度)を設定した。一方、既存体系は70aを一牧区とした定置放牧とし、家畜の捕獲には追い込み柵を利用した。 1. 集約輪換放牧体系は、小牧区での利用となることから放牧地が効率的に活用でき、連動スタンチョンにより個体毎の適正な補助飼料の給与ができることから、ha当たりの年間延べ放牧頭数が67~309頭増加し、育成牛の増体も良い(表1)。 2. 管理作業の節減効果は、繁殖管理(本技術:44分(1人)、既存体系:116分(2.4人))を年に10回、衛生管理(本技術:7分(1人)、既存体系:31分(2.4人))は年に7回行うものと仮定して試算すると、労働時間は2/3程度、延べ作業人員では23.8人節減できる(図1)。 3. 連動スタンチョンを利用することにより、育成牛5頭の繁殖・衛生管理に要する労働費を約74千円程度削減できる(表2)。 4. 最も重労働である放牧牛の捕獲作業は、1人で2分程度で簡単にできる(表3)。 5. 連動スタンチョンは1頭当たり約1万円程度で設置でき、育成牛5頭程度の集約輪換放牧を行う電牧施設などを含めて125千円程度で設置できる(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 放牧を行う前に電気牧柵とスタンチョンへの馴致作業を行う。 2. 集約輪換放牧での施設の設置例を図2に示す。連動スタンチョンの周囲は家畜の集合場所となり、泥ねい化しやすいため、コンクリート舗装にするか、木材チップ等を敷き詰め、泥ねい化を防止する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
図表6 | |
カテゴリ | 省力化 省力管理技術 低コスト 繁殖性改善 |