タイトル | 畝内で広範囲に肥料が散布できる畝内条施肥器とそれを利用した秋冬出しキャベツの減肥技術 |
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担当機関 | 福岡県農総試 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
森山友幸 姫野修一 井手 治 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 畝内で広範囲に肥料が散布できる幅広で扁平な形状の肥料吐出管がついた畝内条施肥器を開発した。キャベツの初冬出し栽培において、全面全層施肥と本器を用いた条施肥を組み合わせることにより、窒素施用量を26kg/10aまで減肥しても慣行と同等以上の結球重が得られる。 |
キーワード | キャベツ、畝内条施肥器、初冬出し、窒素施用量、減肥、結球重 |
背景・ねらい | キャベツ栽培では、窒素施用量の削減と施肥作業の省力化から緩効性肥料を畝土壌中にすじ状に施肥する畝内条施肥技術が開発されたが、慣行の施肥法に比べて初期生育が劣る等の問題があり、新たな施肥技術の開発が求められている。そこで、肥料吐出部の形状を改良することにより、畝内で広範囲に肥料を散布できる畝内条施肥器を開発し、開発機を用いて主要作型の初冬出し栽培において窒素施用量を削減でき、安定生産が図れる施肥法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 先端部が扇型で、肥料吐出口の形状が横幅13cm、縦幅1.5cm、中央部に2本の直管(長さ4cm)が付いた吐出管を備えた畝内条施肥器を開発した。本器を利用することにより、畝内で肥料が広範囲に散布できる(写真、図1)。 2. 初冬出し作型では、窒素10kg/10aの速効性肥料の全面全層施用と緩効性肥料の畝内条施肥16kg/10aを組み合わせることにより、初期生育が優れ、窒素施用量を26kg/10aに削減しても慣行と同等以上の結球重が得られる(表1、表2)。 3. 初冬出し作型において条施肥に用いる肥料は、溶出期間が40日の被覆尿素と速効性肥料を1:1の割合で混合した肥料が適する(データ略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 条施肥前には圃場内を試走して走行速度を調べ、施肥量を調節する。また、適正施肥深さは約10cmであり、作業実施前に確認する。 2. 土壌水分が極めて高い条件では、吐出管に土が付着して作畝ができない可能性があるので注意する。粘質土壌等での利用では砕土性が優れる超砕土ロ-タリと組み合わせるのが好ましい。 3. 本器は企業と共同で開発したものである。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 キャベツ 省力化 施肥 |