底面給水ベンチを利用したトルコギキョウの簡易な冷房育苗技術

タイトル 底面給水ベンチを利用したトルコギキョウの簡易な冷房育苗技術
担当機関 大分温熱花研
研究期間 2001~2003
研究担当者 兒玉泰
冨満龍徳
発行年度 2002
要約 トルコギキョウの高温ロゼットを回避するために、底面給水ベンチを利用した簡易な冷房育苗技術を確立した。開発した装置は間口1m、全長15m、軒高1.7mの底面給水ベンチで、ベンチ内の平均温度は外気温より5.8℃低く冷却効果は十分である。冷房育苗は高温ロゼットの発生はなく順調に生育し、1番花の切花品質は苗冷蔵とほぼ同等である。
キーワード トルコギキョウ、高温ロゼット、冷房育苗、底面給水
背景・ねらい 大分県ではトルコギキョウを推進品目と位置づけ産地を拡大しているが、2度切り作型の6~9月播種で高温ロゼットの発生が問題となっている。これを回避するために生産者は苗の冷蔵処理や高冷地育苗苗を購入するなど、種苗生産にかかる技術的、経済的負担が大きくなっている。このため底面給水ベンチを利用した簡易な冷房育苗技術を確立する。
成果の内容・特徴 1.
開発した装置は間口1m、全長15m、軒高1.7m、底面給水ベンチは0.6mの高さで、全体がビニル製のトンネル状になる。かん水は水をためたトイからひもでベンチ上の不織布製マットを濡らし、マット上の育苗トレイに給水する。またタイマー制御の細霧ノズルにより、発芽までのかん水むらを軽減できる。冷房機は1.5kWで、昼間の熱効率を高めるためにベンチ全体を遮光率70%の寒冷紗で覆う(図1)。冷房機を除く底面給水ベンチの資材費は50万円程度である(データ省略)。
2.
冷房育苗ベンチ内の平均温度は、外気温より5.8℃低く冷却効果は十分である(図2)。
3.
冷房育苗は高冷地育苗や苗冷蔵に比べ定植時の苗の生育は劣るが、定植には十分な苗ができる(表1)。
4.
定植後、冷房育苗は高温ロゼットの発生はなく順調に生育し、1番花の切花品質は苗冷蔵とほぼ同等である(表2)。
5.
育苗容器は288穴セル成型トレイの方が切花品質はやや優れるが、448穴セル成型トレイでも十分な品質が得られる(表2)。このため施設の有効利用のために448穴セル成型トレイを使用しても問題ない。
成果の活用面・留意点 1.
冷房育苗ベンチの全長が長く、冷気の吹出し口と末端で温度差があるため、生育途中で場所を移動するなど生育に差が生じないような管理が必要である。
2.
給水マットへの根の進入を防ぐために、給水マットの上に防根透水シートを設置する。
図表1 222202-1.gif
図表2 222202-2.gif
図表3 222202-3.gif
図表4 222202-4.gif
カテゴリ 育苗 栽培技術 トルコギキョウ 播種

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