タイトル | アリガタシマアザミウマと併用可能な選択性殺虫剤と殺菌剤 |
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担当機関 | 沖縄県農業試験場 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
安田慶次 金城あかね 山田義智 清水徹 大石毅 谷口昌弘 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 供試した殺虫剤12薬剤、殺菌剤10薬剤のうちアリガタシマアザミウマの成虫および幼虫が生存率70%を示した薬剤は、殺虫剤では脱皮阻害剤、BT剤、吸汁阻害剤およびデンプン液剤を含む4薬剤、殺菌剤では2薬剤であった。 |
キーワード | アリガタシマアザミウマ、選択性殺虫剤 |
背景・ねらい | アリガタシマアザミウマをミナミキイロアザミウマに対する生物的防除資材として利用する場合、本種の標的とするミナミキイロアザミウマ以外の害虫と病害については薬剤による防除が必要である。そのため、今回は本種の各ステージにおける殺虫および殺菌剤の影響について調査し、本種と併用可能な薬剤について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. アリガタシマアザミウマ成虫が70%以上の生存率を示した殺虫剤はブプロフェジン水和剤、BT剤、ピメトロジン水和剤、ヘキシチアゾックス水和剤、テブフェンピラド乳剤デンプン液剤、ラルフベンズロン乳剤、エトキサゾール水和剤、ルフェヌスロン乳剤であった(図1)。 2. 幼虫が70%以上の生存率を示した殺虫剤はブプロフェジン水和剤、BT剤、ピメトロジン水和剤、テブフェンピラド乳剤の4種のみであり、特に成虫では比較的影響の少なかったラルフベンズロン乳剤、ルフェヌスロン乳剤に対して感受性は高く生存率は0%であった(図2)。 3. アリガタシマアザミウマ成虫が70%以上の生存率を示した殺菌剤はアゾキストロンビン水和剤、キャプタン水和剤、有機銅剤、トリフルミナゾール水和剤、マンネブ水和剤、TPN水和剤、メパニピリム水和剤、ベノミル水和剤であった(図3)。 4. 幼虫が70%以上の生存率を示した殺菌剤はキャプタン水和剤、メパニピリム水和剤のみであった(図4)。 以上の結果より、アリガタシマアザミウマの成虫および幼虫に対し影響の少ない併用可能な殺虫剤はブプロフェジン水和剤、BT剤、ピメトロジン水和剤、テブフェンピラド乳剤、殺菌剤はキャプタン水和剤、メパニピリム水和剤であると考えられた。 |
成果の活用面・留意点 | 1. これらの試験結果より、アリガタシマアザミウマの成虫と幼虫は薬剤に対し感受性が異なることが明らかになった。 2. 天敵の放飼直後に使用する薬剤、または圃場での天敵定着後に使用する薬剤について天敵のステージを考慮した検討が可能となった。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 害虫 生物的防除 防除 ミナミキイロアザミウマ 薬剤 |