タイトル | 南大東島におけるオキナワカンシャクシコメツキへの交信かく乱法の適用 |
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担当機関 | 沖縄県農業試験場 |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 |
新垣則雄 佐渡山安常 岸田光史 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 南大東島において、フェロモンチュ-ブ90万本を設置して、オキナワカンシャクシコメツキの交信かく乱を行った。その結果、サトウキビ畑周辺の24箇所に設置したトラップに成虫はほとんど捕獲されず、雌雄間の交信かく乱がうまく生じていることが示された。 |
キーワード | 交信かく乱、オキナワカンシャクシコメツキ、フェロモン |
背景・ねらい | これまで性フェロモンを利用した交信かく乱による害虫防除は鱗翅目にしか成立しないと考えられ、オキナワカンシャクシコメツキ(以下クシコメツキ)が属する甲虫目の場合は、交信かく乱による防除事例がほとんどなく、大量誘殺による防除が一般的であった。また、本種の場合は、誘引源の濃度を高めるほど誘引数が増えることが知られており、交信かく乱が成立するか懸念されていた。そこで今回、南大東島において、大量のフェロモンディスペンサ-を設置することで、本種に交信かく乱が成立するかどうかを調べた。 |
成果の内容・特徴 | 1. まだ交信かく乱を適用してない2000年は、各地点の性フェロモントラップで多くのクシコメツキが捕獲された。特に内側と外側の防風林に挟まれる地域で発生が多く、トラップ当たり1,000頭を超える圃場も散見された(図1)。 2. 2001年2月中旬にフェロモン・チューブ90万本を島中の畑にくまなく設置し、交信かく乱を行った。その結果、サトウキビ畑周辺の24箇所に設置したモニタリングトラップではほとんどクシコメツキは捕獲されなかった(図2)。 3. 一方、交信かく乱を行っていない島外側のススキ原では、依然として多くのクシコメツキが捕獲された(図2)。 4. 以上のことから、今回の実証事業で南大東島においてうまくクシコメツキの交信かく乱が生じていることが示された。このことによって、クシコメツキの交尾率が低下し、次世代密度の減少が期待される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本種の一世代に要する期間が2~3年と長いため、防除効果を確認するためには数年の継続的な調査が必要である。 2. さらに南大東島で全面的にクシコメツキを防除するために、その生息場所であるススキ原も防除対象とする必要性が示唆された。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 害虫 さとうきび 性フェロモン フェロモン 防除 モニタリング |