牛ふんに油かすを混合した成型堆肥のイチゴ栽培における施用法

• 担当機関: 福岡農総試
• 研究期間: 1999～2001
• 研究担当者: 佐藤公洋; 山本富三; 荒木雅登; 満田幸恵
• 発行年度: 2002
• 要約: イチゴの促成栽培において、牛ふんに菜種油かすを重量比5：1で混合した成型堆肥を基肥として10a当たり900kg施用すると、生育、収量、果房の出蕾時期は慣行施肥と同等となり、土壌物理性が向上する。
• キーワード: イチゴ、牛ふん、菜種油かす、成型堆肥
• 背景・ねらい: 家畜ふん堆肥の流通を促進するため、エクストルーダ型の成型機を利用した成型堆肥の開発が進められているが、モミガラ牛ふん堆肥のみの成型堆肥では窒素の肥効が非常に低く、これのみでの施肥は困難である（平成13年度成果情報）。そこで、モミガラ牛ふん堆肥に菜種油かすを混合して窒素の肥効を調整した成型堆肥を製造し、イチゴ促成栽培の基肥に利用する場合の適正な施用法と土壌理化学性への影響を明らかにする。
• 成果の内容・特徴: 1．; イチゴの促成栽培において、牛ふんに菜種油かすを重量比5：1で混合した成型堆肥の適正施用量は、900kg/10a程度（慣行施肥に対する窒素肥効率70％）であり、収量は慣行施肥に比べ同等ないし同等以上である（表1）。; 2．; 葉の大きさや葉色など株の生育は成型堆肥施用と慣行施肥とでは同等である（データ略）。; 3．; 成型堆肥を施用した果実のBrixや滴定酸、ビタミンCは慣行施肥に比べ同等ないし同等以上である。（表2）; 4．; 成型堆肥の施用により、慣行施肥（堆肥無施用）に比べ土壌の容積重が減少し、気相率が増大するなど、土壌の物理性が向上する。また、土壌の腐植含量やCECが増加するが、連用により交換性カリの集積が大きくなる（表3）。
• 成果の活用面・留意点: 1．; イチゴ「さちのか」の促成栽培で成分調整成型堆肥を利用する際の資料として活用できる。; 2．; カリの集積が懸念される圃場では土壌診断を実施し、その結果により成型堆肥の施用の可否を判断する。
• カテゴリ: いちご 施肥 土壌診断