タイトル | 成分調整ペレット堆肥の作業性とトマトおよびメロンにおける経済性 |
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担当機関 | 熊本農研セ |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
加久正見 大塚一行 篠原公人 立場久雄 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 家畜ふん尿堆肥を粒状に固めたペレット堆肥は、施設における堆肥の散布作業が機械化によって省力的に行うことができる。また、果菜類に菜種油かすを混合して成分調整したペレット堆肥を施用することで、トマトでは所得が向上する。 |
背景・ねらい | 従来の牛ふん堆肥等家畜ふん堆肥は、肥効が安定しない、ハンドリングが悪い、機械散布が容易でないなどの問題がありリサイクル利用が進まない現状にある。そこで、窒素の肥効調整とカリウム等のほ場集積を回避するため菜種油かす等の有機質資材を混合し、肥料成分を調整したものをペレット状に成形した堆肥の施用技術が開発された。この成分調整ペレット堆肥について散布作業性および経済性について明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. ペレット堆肥の施設内における散布作業性は優れている。手散布での作業時間は、一般堆肥の64%、10aあたり47分で散布することができる。さらに、ペレット堆肥の機械作業に対する適応性は高く、ブロードキャスターを用いた場合、ペレット堆肥の手散布に対し42%で10aあたり20分、ライムソワーでは70%の33分で散布できる。(表1、図1) 2. 施設栽培の果菜類に対し、ペレット堆肥を施用するためには、ブロードキャスターまたはライムソワーなど肥料散布機の導入が必要であるが、このことによる減価償却費は5千円/10a程度である。(表3) 3. トマトに成分調整ペレット堆肥を施用すると、収量、商品果率ともに向上し、可販果収量は13%増加する。生産費は、減価償却費が増加するものの肥料費が減少するため全体では慣行と差がない。そのため、粗生産額の増加により所得が向上する。(表3) 4. メロンでは、品質、収量に差はなく、生産費についても減価償却費の増加分が肥料費で相殺され差がない。(表2、表3) |
成果の活用面・留意点 | 1. 施設における成分調整ペレット堆肥の施用にあたっては、散布ムラを生じないようにするため、施設の大きさ、形状に合わせた機械の調整(散布幅等)、作業速度等に留意が必要である。 2. トマトは、腐植質黒ボク土における夏秋トマト(8段収穫)、メロンは灰色低地土における半促成アールスメロンが適用範囲である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 土づくり 肥料 機械化 施設栽培 施用技術 トマト 肥料散布 メロン |