タイトル |
不耕起一工程播種法によるイタリアンライグラス後作ダイズの苗立ち安定性 |
担当機関 |
宮崎総農試 |
研究期間 |
1999~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2003 |
要約 |
イタリアンライグラス後作では、土壌の気相の割合が増加し、稲麦用乾田不耕起播種機による不耕起一工程播種法を用いれば、大豆の出芽・苗立ちは安定して初期生育が旺盛になる。また、多湿土壌条件下でも適期に播種作業ができ、80%程度の苗立ち率の確保が可能で、安定した収量を得られる。
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キーワード |
ダイズ、イタリアンライグラス、イタリアンライグラス後作大豆、不耕起一工程播種、多湿土壌
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背景・ねらい |
宮崎県の大豆の作付けは転作大豆が中心であり、500ha程度栽培されている。しかし、播種時の降雨によって播種の遅れや、発芽苗立ちが悪く収量の不安定要因となっている。そこで、本県の水田裏作の大半を占めるイタリアンライグラスとの体系及び稲麦用乾田不耕起播種機を活用した大豆の安定栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- イタリアンライグラス作付後では、土壌の固相の割合が減少し、気相の割合が増加する(表1)。
- イタリアンライグラス後作圃場では、冠水後でも土壌含水比が36%程度以下であれば、稲麦用不耕起播種機で作業ができ、多湿土壌条件下でも80%程度の苗立ち率が確保できる(表2)。
- イタリアンライグラス後作の不耕起播種では、80%の苗立率が確保でき、前作がない場合より初期生育が旺盛になる。また、収量は30kg/a以上確保でき、品質に影響はない(表3)。
- 稲麦用不耕起播種機を使用したイタリアンライグラス後作圃場では、苗立率は耕起播種と同程度確保でき、耕起播種よりやや下回るものの30kg/a程度の収量が得られ、品質に影響はない(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果はイタリアンライグラス後での不耕起播種栽培(稲麦用歩行2条不耕起播種機使用)に適用する。
- イタリアンライグラス収穫後、残根対策として大豆播種前にグリホサート液剤処理をする必要がある。
- 沖積土の水田で活用できるが、肥沃な火山灰土圃場や前作イタリアンライグラスの施肥量が多い場合、基肥の窒素量は、大豆が過繁茂にならないよう減肥する必要がある。
- イタリンアンライグラスの作付け体系では大型機械体系になり、鎮圧等により土壌表面が硬くなり排水不良になりやすいので、播種前にサブソイラー等の排水対策を行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
安定栽培技術
イタリアンライグラス
水田
施肥
大豆
播種
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