早期親子分離技術と放牧を組み合わせた黒毛和種繁殖牛の飼養管理技術

タイトル 早期親子分離技術と放牧を組み合わせた黒毛和種繁殖牛の飼養管理技術
担当機関 長崎畜試
研究期間 1998~2005
研究担当者
発行年度 2003
要約 黒毛和種繁殖雌牛において早期親子分離を行うと、イタリアンライグラス、バヒアグラスの放牧時に、補助飼料として稲ワラだけで適正な栄養度を維持でき、1年1産が可能となる。
背景・ねらい 黒毛和種繁殖農家において、近年見られる早期親子分離技術は繁殖牛の空胎期間が短縮でき、授乳期の増飼を必要としないため飼養管理も簡素化できる技術である。一方で、県内の黒毛和種繁殖農家において水田の裏作・遊休農地等を利用した放牧が普及しつつある。そこで、早期親子分離技術と放牧を組み合わせた飼養管理を行い、濃厚飼料を給与せず繁殖農家が入手可能な自給飼料である稲ワラのみを補助飼料とした省力的な黒毛和種繁殖雌牛の飼養管理技術を確立する。
成果の内容・特徴 黒毛和種繁殖雌牛16頭を供試し、試験区8頭はイタリアンライグラス草地6,710m2およびバヒアグラス草地7,250m2を用い周年輪換放牧を行った。放牧時間は午前9時から午後3時までの6時間、その他の時間は舎飼いとし、濃厚飼料無給与で補助飼料は稲ワラのみとした。対照区は舎飼いし、トウモロコシサイレージおよび乾草を維持に必要なTDN量を充足するよう給与した。また、試験区・対照区共に分娩後3日で親子分離を行った。
  1. イタリアンライグラス、バヒアグラスの輪換放牧時に、補助飼料として稲ワラのみを給与すると、成雌牛の維持に要するTDNの104.6%を摂取でき、栄養度は適正に維持される(表1、図1)。
  2. 黒毛和種繁殖雌牛を用いた早期親子分離技術は、放牧と補助飼料の稲ワラのみでも1年1産が可能である(表2)。
  3. 血液性状は正常値で推移し、疾病・下痢等の発生もなく、健康な繁殖牛飼養管理が可能である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 早期親子分離を行う黒毛和種繁殖牛の飼養管理体系に利活用できる。
  2. 稲ワラのみの給与から放牧を再開する場合は、急激な飼料変化による代謝障害を防ぐために、放牧時間を徐々に増やしていくことが望ましい。
  3. 適正な栄養度を維持することは連産を行うのに不可欠なことから、繁殖牛の栄養度に留意する必要がある。
図表1 222363-1.jpg
図表2 222363-2.jpg
図表3 222363-3.jpg
図表4 222363-4.jpg
カテゴリ イタリアンライグラス 飼育技術 水田 トウモロコシサイレージ 繁殖性改善

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