タイトル |
九州地域で収集した飼料イネの飼料成分等の実態 |
担当機関 |
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 |
2001~2002 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2003 |
要約 |
九州各県普及センター等から収集した飼料イネは穂重割合の変動がやや大きい。黄熟期における飼料成分は品種や栽培条件により、粗蛋白質で変動が大きく、推定TDN含量は変動が少ない。
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背景・ねらい |
水田転作の飼料作物として飼料イネの利用が注目されているが、現地試験地レベルで栽培された専用品種の飼料成分の情報は少ない。そこで、九州農政局、九州各県普及センターと連携して、農家、実証展示圃場および試験場の現地試験地で栽培された飼料イネを収集して生育や化学成分の分析を行い、品種、生育ステージ毎の生育、飼料成分の実態を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 実態調査用に収集したサンプルは2001、2002年(両年とも夏の天候は平年より高温・少雨・多照)に九州各県の農家、普及センターの実証展示圃場、各県試験場の現地試験地から近年育成された飼料イネ専用品種を中心として、生育ステージごとに収集した147点である(図1)。
- 草丈は各ステージとも「Te-tep」、「スプライス」が他より高い値で推移し、「クサホナミ」、「西海204号」は他より低い値で推移する。変動係数からみて収集地域による変動はいずれの品種も同程度である(表1)。
- 黄熟期における穂重割合は茎葉収量が高いとされる「Te-tep」、「モーれつ」で低く、「クサノホシ」、「クサホナミ」、「ホシアオバ」、「西海204号」で50%前後の値である。収集地域間の変動は草丈と比較して大きい(表1)。
- 黄熟期における飼料成分は粗蛋白質では「Te-tep」が最も高く、「モーれつ」が最も低い。推定TDN含量は「クサノホシ」が最も高く、「モーれつ」が最も低い。成分の変動は収集地域間では粗蛋白質、粗灰分で大きく、NFE、推定TDN含量で小さい。品種間の変動はいずれの成分も地域間差より小さい(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 飼料イネ導入時の栽培面積等の検討における参考値として利用可能である。
- 収穫方法の違いによる脱粒程度、サイレージの発酵品質によって化学成分は変動するので給与時にはフォーレージテストの利用が望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
栽培条件
飼料作物
水田
品種
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