ビワの徒長枝の枝傷処理による効率的な新しょうの発生方法

タイトル ビワの徒長枝の枝傷処理による効率的な新しょうの発生方法
担当機関 長崎果樹試
研究期間 1999~2002
研究担当者
発行年度 2003
要約 鋸を使い緑枝を発生させたい部分に傷をつけると、傷をつけた周辺の葉の脱落痕から潜芽が効率的に発生し、多くの新しょうを確保できる。枝傷にはパラフィン系資材の接ぎ木テープを巻くことで傷口を保護でき、潜芽は自力でテープを破り発芽する。
キーワード ビワ、枝、傷、潜芽、新しょう
背景・ねらい 「長崎早生」「陽玉」等の樹勢の旺盛な品種では、枝が徒長的に伸び、樹冠内部に新しょうがないので無効な容積が多く、樹冠容積に対し結果枝数が少なく収量は低下する。そこで、緑枝の発生がない枝から効率的に新しょうの発生を促す方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 鋸傷処理の方法は、新しょうの発生がない材部に、鋸(刃幅1mm)で深さ5~7mm程度の傷を、枝の側面に枝周の1/3~2/5につける。傷をつけたらパラフィン系資材の接ぎ木テープを巻いて傷口を保護する。処理時期は施設栽培では6月上旬、露地栽培では月上旬とする。処理する枝は、あらかじめ誘引を行った方が効果が高い(データ省略)。
  2. 処理後1か月を経過すると発芽が確認でき、施設栽培の「長崎早生」の若木では処理に対し60~70%が発芽し、パラフィン系資材の接ぎ木テープで巻くと70%の芽が退化せずに順調に生長する(表1、表2)。露地栽培の「陽玉」の若木では、処理に対し50%が発芽する(表1)。いずれも潜芽が発生しやすい枝は、枝径が20~30mm程度である(データ省略)。
  3. 傷口にパラフィン系資材の接ぎ木テープを巻くことにより、傷口は1か月程度でカルスが癒合し、がんしゅ病等の発生はなかった。また、潜芽がテープの中から発生しても、自力でテープを破って伸長する(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 処理に際しては、傷口が大きくなって枝が折れないように注意し、枝の側面から潜芽を発生させた方がよいので、必ず枝の側面に処理する。
  2. 発生した潜芽は、そのまま放置すると直立し徒長的に伸びて花が着生しにくい強勢な枝になるので早い時期(10cm程度の枝長)から図2のように誘引を行う。
  3. 供試樹は10年生未満の若木であり、樹勢が弱い場合は発芽が少なくなる恐れがある。
図表1 222437-1.jpg
図表2 222437-2.jpg
図表3 222437-3.jpg
図表4 222437-4.jpg
カテゴリ 施設栽培 しょうが 接ぎ木 びわ 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる