タイトル |
黒ボク土壌下「日南1号」における根域制限シート栽培による高糖度化 |
担当機関 |
宮崎総農試 |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2003 |
要約 |
極早生温州「日南1号」は黒ボク土壌でも、成木移植と併せて根域制限シートを敷設することで、樹体は水分ストレスを受け、高糖度果実生産が可能となる。
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キーワード |
黒ボク土壌、日南1号、高糖度、成木移植、根域制限、透湿性シートマルチ
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背景・ねらい |
宮崎県の温州ミカンの主力である極早生温州ミカンは、栽培地帯の多くが保水性の高い黒ボク土壌で降水量も多いため、園地全面にマルチしても、安定した果実糖度の向上効果が得にくい。そこで、移植と併せて根域制限シートを敷設し、根域制限へ栽培することで、高糖度果実の安定生産を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 根域制限シート敷設で、樹体の水分ストレスの指標となる葉の最大水ポテンシャル値が低くなる(図2)。
- 収穫期の果実の着色歩合及び赤道部、果頂部の果皮色は、根域制限シート敷設で良くなる。また、Brix(糖度)は、根域制限シート敷設で明らかに高くなり、クエン酸は、僅かに高くなる傾向がある(表1)。
- 樹冠が小さくなるため収量/樹は根域制限区で明らかに少なくなるが、樹冠占有面積あたりの収量、SML果収量の差は小さい。(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本試験成績は黒ボク土壌において、図1に示すとおり透水性の不織布で作られた根域制限シート上(土量900L/樹、畝側面高30cm、畝頂部高45cm、畝幅130cm)に、平成12年の2月(試験圃、樹齢7年生)、平成13年の3月(現地実証圃、樹齢8年生)に移植し、移植当年は無着果で管理した結果である。
- 各処理とも透湿性シートマルチ(ハードタイプ)を、4月から10月の収穫まで畝部のみ被覆した成果である。
- 夏秋期に土壌が過乾燥となることがあるので、樹体の状況、果実肥大等を見ながら適宜かん水をする。
- 根が畝外へ脱出すると効果が劣るので注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
温州みかん
乾燥
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