タイトル |
パプリカの高温域での栽培温度と着果特性および果実重、品質 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
2001~2002 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2003 |
要約 |
パプリカでは、昼温が摂氏30度以上の高温域ではす入り果や変形果等の障害果の発生割合が増加する。この高温域では、花粉が形成されなかったり開花時に発芽能力を持たない花粉が多く発生し、種子が十分にできないことが主な原因となり着果率が低下する。
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キーワード |
パプリカ、栽培温度、障害果、花粉、着果率
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背景・ねらい |
パプリカを本県の平坦地水田に収益性の高い水田転換作物として導入するためには、早熟栽培での技術確立が必要である。しかし、パプリカの早熟栽培では夏季における着果不良や品質、収量の低下が問題になっている。そのため、日中の栽培温度がパプリカの開花、結実および品質に及ぼす影響についてファイトトロンを用いて明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- パプリカ(「フィエスタ」「スペシャル」)では、昼温が摂氏25~35度の高温域では摂氏25度で果実重が最も重く、A品率も最も高くなる。摂氏30度以上では白い斑点が入るす入り果や変形果等の障害果の発生割合が増加する。1果重および果肉の厚さは昼温が高いほど減少し、摂氏35度では、果長が短くなり扁平の果形を示す(表1、図1)。
- 開花率および着果率は、昼温摂氏25度が最も高く、温度が高いほど低く、特に、昼温摂氏5度では着果率が著しく低下する。また、果実中の種子数も温度が高いほど少なくなり、摂氏35度では種子の無い果実が多発する(表2、図1)。
- 開花時の花粉量は昼温摂氏25度、摂氏30度では多いが、昼温摂氏35度では花粉が僅かにみられる程度であり、花粉の発芽率は、昼温摂氏25度が最も高く、昼温摂氏30度で低下し、昼温摂氏35度では全く発芽しない(表2、写真1)。
- 昼温摂氏30度以上における着果率の低下や変形果の発生は、花粉の形成異常や開花時に発芽能力を持たない花粉が多く発生し、種子が十分に形成されなかったことが主な原因と考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 早熟栽培では、夏季のハウス内の最高気温が摂氏35度を超えることもあるのでハウス内の昇温を抑制するため、オープンハウスの利用や、遮熱効果の高いの資材(クールホワイト等)で遮光を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
障害果
水田
ピーマン
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