促成栽培トマトにおけるTYLCVの低温期感染による潜伏期間の長期化

タイトル 促成栽培トマトにおけるTYLCVの低温期感染による潜伏期間の長期化
担当機関 TYLCV
研究期間 2001~2003
研究担当者
発行年度 2003
要約 促成栽培トマトにおいて、黄化葉巻病の病原ウイルス、Tomato yellowl eaf curl virus(TYLCV)は低温期に感染すると、温暖期より潜伏期間が長期化し、その後の気温の上昇とともに病徴を発現する。
キーワード 長崎総農林試・環境部・病害虫科
背景・ねらい トマト黄化葉巻病の病原ウイルス、Tomato yellowl eaf curl virus(TYLCV)はシルバーリーフコナジラミによって媒介され、感染したトマトは新葉が黄化、萎縮して生長が止まり、着果不良になるため、長期間栽培を行う促成栽培で大きな被害を与える。また、この促成栽培での本病の発生消長において、年明けの2~3月頃から、媒介虫の発生がほとんど認められないにもかかわらず、発病株が次第に増加する事象が多く認められている(図1)。
そこで、TYLCVの感染時期と病徴の発現時期との関係を明らかにし、本病の防除対策に資する。
成果の内容・特徴
  1. 促成栽培トマトにおいて、TYLCVの定植直後(10月9日、接種期間中の平均気温摂氏21.9度)の虫媒接種(接種期間3日間)では、接種15日後までにほとんどの株で発病が認められ、その後は増加しない(図2)。
  2. 定植40日後(11月20日、同摂氏14.0度)の接種においては、接種49日後より発病が認められ始め、その後5ヶ月後まで漸増する(図2)。
  3. 定植100日後(翌年1月20日、同摂氏10.6度)の接種においては、発病した株のほとんどが約3ヶ月後に病徴を発現する(図2)。
  4. TYLCVは、低温期に感染すると温暖期に比べて潜伏期間が長期化し、その後の気温の上昇とともに病徴を発現する(図2、図3)。
成果の活用面・留意点
  1. TYLCVの潜伏期間の差には、感染時のトマトの生育ステージ等、他の要素も関与すると考えられる。
図表1 222549-1.jpg
図表2 222549-2.jpg
図表3 222549-3.jpg
カテゴリ 病害虫 黄化葉巻病 害虫 栽培技術 トマト 防除

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