タイトル |
サトウキビ梢頭部回収機 |
担当機関 |
鹿児島農試 |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2003 |
要約 |
新たに開発したサトウキビ梢頭部回収機は、立毛のサトウキビ梢頭部を刈り取り、細断、収納する自走式の作業機で、トラッシュとして原料に混入していたサトウキビ梢頭部を飼料として利用できる。作業能率は1~2時間/10aであり、サトウキビ梢頭部の回収率は50%程度である。
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キーワード |
サトウキビ、梢頭部、飼料
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背景・ねらい |
急速に普及しているケーンハーベスタ収穫において、重労働である手作業以外に梢頭部を回収する手段がない。このため、奄美地域では梢頭部回収がほとんど行われていない。この結果、飼料不足→飼料作物の栽培面積増加→サトウキビの栽培面積減少に伴う生産量の減少という悪循環を繰り返している。 そこで、梢頭部の飼料化、収穫原料茎のトラッシュ率の低下、トラッシュ除去経費の削減と製糖歩留の向上を図るために、機械化によるサトウキビ梢頭部回収技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発機は全長5.25m(移動時4.95m)、全幅1.85m、全高3.5m、機関出力46kWのクローラタイプの自走式作業機で、梢頭部刈り取りー搬送ー細断ー収納を一工程で行う。刈り取り部の可動範囲は上下1.1m、左右5.2mで、進入畦あるいは隣接畦の梢頭部を回収する。梢頭部の切断位置はオペレータが目視して調整する。
- 開発機は機体中央に幅510mm、地上高1,400mmの空間がある門型である。作業方法は、サトウキビ収穫に先がけほ場全面のサトウキビ梢頭部を回収する先行作業方式、サトウキビ収穫時にケーンハーベスタと交互に作業し梢頭部を回収する交互作業方式が可能である。(図1、図2)
- 作業能率は先行作業方式で1~1.8時間/10a、ケーンハーベスタへの待機時間がある伴走作業方式で1.3~2時間/10aである。梢頭部の回収率は50%程度であるが、サトウキビの生育が揃えば80%程度回収可能である(表1)。
ケーンハーベスタ収穫のトラッシュ率は梢頭部回収によって半減する。梢頭部回収時の原料損失は2%程度であり、ケーンハーベスタ収穫時の収穫損失は2.4~6.6ポイント増加する(表2)。
- 回収した梢頭部は10~30mmに細断され、そのまま給餌するだけでなく、ロールベールラップサイレージが可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 適応する畦幅は1.2m以上であり、枕地は4m以上必要である。
- 倒伏程度が小さく、ほ場両端に枕地が確保できる場合は先行作業方式が効率的である。
- 倒伏程度が大きい場合は、先行作業方式ではケーンハーベスタ収穫損失が増加するので伴走作業方式で作業を行う。
- 倒伏程度が大きく、梢頭部の高さが不揃いであれば梢頭部回収率は低下する。
- 梢頭部回収機は2004年度に市販の予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
機械化
さとうきび
飼料作物
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