ジャガイモの冬作マルチ栽培における生分解性フイルムの利用

タイトル ジャガイモの冬作マルチ栽培における生分解性フイルムの利用
担当機関 沖縄県農試
研究期間 2000~2003
研究担当者
発行年度 2004
要約 ジャガイモの冬作マルチ栽培においてセルグリーン、コーンポール、イーマルチの生分解性フイルムのマルチ資材はマルチャーによる展張作業のときにも破れ難く、剥ぎ取らずに堀取り作業や鋤き込みも可能で、生育収量もポリフイルムと差がないために、低コストで環境負荷の少ない資材として利用できる。
背景・ねらい 沖縄県におけるジャガイモの冬作マルチ栽培の主要産地ではポリフイルムが利用されている。ポリフイルムは収穫前の剥ぎ取り作業や収集運搬のコストが高い上に使用後の焼却により有害物質を発し環境負荷が大きい。生分解性フイルムによるマルチ資材を活用して、低コストで環境負荷の少ない技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ジャガイモの冬作マルチ栽培において生分解性フイルムのマルチ資材はポリフイルムマルチより伸展強度が弱いために展張作業のときにも破れ易いが、セルグリーンは比較的に強度が強く(図1)、コーンポール、イーマルチともにマルチャーによる展張作業や穴開け作業のときにも破れ難い。
  2. マルチ被覆下5cmの24時間の最高地温はポリフイルムマルチよりコーンポール、イーマルチは摂氏約1.5~2.0度、セルグリーンは摂氏1.2度高いが、1日の平均地温ではほとんど差はない(図2)。
  3. 土壌中に10cm程度に埋め込んだ生分解性フイルムの伸展強度はセルグリーンが強く(図3)、埋め込み後セルグリーンは90日、コーンポールは120日目まで原型をほぼ保っており、土壌中での分解の進行は遅い。
  4. セルグリーン、コーンポール、イーフイルムマルチとも収穫期まで畦表面にほとんど残っており、収穫作業をするときに一部作業機に絡まれたり引きずられる部分はあるが、強度はかなり弱く脆くなっているために剥ぎ取らずに掘り取り作業ができる。収穫後には生分解性フイルムの一部分が地表面に残るが鋤き込みできる(表1、図4)。
  5. ジャガイモの生育はポリフイルムはスリット入りを使用し、生分解性フイルムは出芽期にスリットを入れたのでその間の保温によって出芽が早くなりデジマで茎長は長いが、茎数はデジマ、ニシユタカとも差はない。収量はポリフイルムマルチと同程度か、上回った(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. ジャガイモ栽培地域で環境負荷の少ないマルチ資材として利用できる。
  2. 保管品は破れ易いので年度内に使い切る。
図表1 222672-1.jpg
図表2 222672-2.jpg
図表3 222672-3.jpg
図表4 222672-4.jpg
図表5 222672-5.jpg
図表6 222672-6.jpg
カテゴリ コスト 低コスト ばれいしょ

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