ウシの新鮮胚移植におけるカッティングニードルを用いた容易な透明帯切開方法

タイトル ウシの新鮮胚移植におけるカッティングニードルを用いた容易な透明帯切開方法
担当機関 長崎畜試
研究期間 2002~2004
研究担当者
発行年度 2004
要約 ウシ低ランク胚の新鮮移植において、マイクロマニピュレーターを用いホールディングピペットとカッティングニードルにより容易に透明帯切開ができ、透明帯切開により受胎率が向上する。
キーワード ウシ、低ランク胚、新鮮胚移植、カッティングニードル、透明帯切開、受胎率
背景・ねらい 胚移植において受胎率を向上させることは重要な課題である。通常、低ランク(Cランク)と判定した胚は、耐凍性が低いため主に新鮮胚移植に利用されているが、その受胎率は低い状況にある。そのため繁殖効率を考えると廃棄されることが多く、胚移植技術による育種効率を上げるためには、低ランク胚の有効利用が望まれている。低ランク胚の受胎率を向上させる方法としては、培養法や透明帯からの脱出を補助するためのマイクロブレードによる透明帯切開法等が報告されている。しかし一般の採胚施設では培養装置の設置は難しく、またマイクロブレードによる透明帯切開法では慣れていないと胚を潰してしまう心配があるため、より簡易な透明帯切開方法の検討が必要である。そこで新鮮低ランク胚の受胎率向上を目的に、マイクロマニピュレーターに取り付けたカッティングニードルを用いた透明帯切開方法を検討し、その受胎率を調査する。
成果の内容・特徴
  1. マイクロマニピュレーターに取り付けたホールディングピペットとカッティングニードルを用い、保存液(20%子牛血清加m-PBS)中で透明帯を切開することで、細胞塊にダメージを与えることなく、容易に透明帯を切開できる(図1)。
  2. 非切開区の移植成績は、ランクが低下すると受胎率が低下する傾向にあるが、透明帯を切開することで、Cランク胚において受胎率が向上する(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. ETセンター等の採胚機関において低ランク胚の有効活用と受胎率向上のために活用できる。
  2. マイクロマニピュレーター等の器具が必要である。
  3. 細胞塊にできるだけダメージを与えないために、透明帯切開は変性部の多い側で行う。
  4. 実体顕微鏡にマニピュレーターを取り付けることにより、採胚現場において比較的安価な設備で透明帯切開処理ができる。
図表1 222708-1.jpg
図表2 222708-2.jpg
カテゴリ 育種 受胎率向上 繁殖性改善

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